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下の血圧だけが高い高血圧

67歳 男性
2018年11月20日

血圧についての相談です。血圧の自己管理で上の血圧は110-130、下の血圧は85-98で、下の血圧が高いようです。なぜ、下の血圧ばかりが高くなるのでしょうか。

回答

血圧は心臓から送り出される血液量(拍出量)と末梢血管抵抗の積であらわされます。拍出される血液量が多いほど、また、末梢血管抵抗が高いほど、高くなります。血圧には上と下とがあります。上の血圧は心臓が収縮して、血液を送り出したときの圧なので、収縮期血圧といい、下の血圧は拡張期血圧といいます。心臓が収縮していないのに、血圧があるのは、収縮期に心臓から送り出された血液はすべてが末梢に送られるのではなく、心臓に近い大動脈にも貯留し、これが拡張期に末梢に送られて血圧を形成するからです。動脈硬化が進行した状態では、大動脈の伸展性が小さく、ここに貯留される血液量が少なくなるので、収縮期血圧は高く、拡張期血圧は低くなります。動脈硬化のない若い人の場合には収縮期に大動脈に十分な血液が貯留されて、拡張期に送られる血液量は増えるので、拡張期血圧は維持されます。

以上のことから、拡張期血圧だけが高くなる場合には、血管抵抗が高く、心臓から拍出される血液量が小さくなっている一方で、大動脈はよく拡げられて、拡張期に送られる血液量は減少していない、というような状態なのかも知れない、と考えることになります。

なお、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、「収縮期高血圧と拡張期高血圧はそれぞれが独立したリスクである」としています。上の血圧、下の血圧、どちらにしても、高いときにはまずは生活習慣の見直しに注意することが大事でしょう。

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