下肢静脈瘤の治療法について教えてほしい
85歳の母のことで相談いたします。下肢静脈瘤と診断されており、静脈瘤がぼこぼこ浮き上がり、両足がいつもむくんでいます。
夏に、左足の足首の少し上が蜂窩織炎(ほうそうしきえん)になりました。
治療を続けた結果、今は、腫れや赤みはなくなり、切開の穴が少し開いている程度になりました。
昨年の暮れ頃には、左足の甲が赤紫色に腫れ、痛みがあり、近くの病院で診ていただきましたが、原因が分からないと言われ、痛みが残ったまま、治療しないでおりました。
今回の蜂窩織炎や昨年の足の甲の腫れは、下肢静脈瘤が原因なのではないかと思い、静脈瘤の治療もされている総合病院の外科で診ていただきました。
担当医の話は「足の奥にある、水道で例えると本管に当たる静脈も流れが悪くなっていて、外側の静脈が本管の流れを助けている状態かもしれないのに、外側の静脈を無理矢理止めると、本管だけではうまく流れなくなってしまう。今後は対症療法しかない。」と、エコーや造影剤での検査はなく、足を見ただけで、そう言われました。
なお、足の水虫から蜂窩織炎になることが多いそうですが、母の左足のみに、水虫菌がいることが分かり、それは治療中です。
母は体も頭の働きも一応、元気ですので、なんとか足の徹底的治療ができないものかと、お伺い申し上げます。
回答
下肢静脈瘤は静脈弁の働きが不十分であるために起こります。むくみがあったり、皮膚の感染症があったりすると治りにくく、難儀します。治療のためには、静脈の抜去手術が行われます。下肢の先端で静脈を切断して、下肢の付け根に小さな切開創をつくり、ここに静脈を巻き取り、抜去するという手術です。
内科的には、タイトなストッキングを履かせたり、夜、就寝時に下肢の下に座布団を重ねたりします。85歳の高齢の方ですので、手術の後にしばらく床につくということにでもなると、ボケ症状がでてきたりします。内科的な治療をしながら、感染症の手当をするという方法で対処されては如何でしょうか。