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閉塞性動脈硬化症術後、感染により人工血管除去を勧められる

77歳 男性
2004年6月24日

叔父についての相談です。以前より足の痛みがあり、最初は外科に通院していました。現在入院中の病院で閉塞性動脈硬化症と診断され、今、手術をしないと足を切断することになると説明があり、5月に入院、人工血管を3箇所(両足大腿部と下腹部)に入れる手術を行いました。
しかし血栓ができているとして後日、2度、その血栓を取り除く手術。さらにカテーテル検査において、右足の人工血管が機能せず、血液が流れていないことが判明。再手術を行いました。その後、ブドウ球菌感染症に侵されました。
担当医より、「再手術した右足の人工血管にブドウ球菌が発生。毎日の洗浄と抗生剤の点滴による投与を続けるが、人工血管を抜いたほうがいいか、このまま洗浄を続けるか、医師側も意見が分かれている」と説明を受けました。選択は本人と家族に委ねられ、手術しないことを決断。しかし後日、再度、人工血管を除去することを医師側より勧められました。
現在、点滴の針も入らず、首と肩の間辺りから点滴を投与している状態です。このままブドウ球菌の数値が下がらなかったら最悪(敗血症)の可能性も考えなければならないのでしょうか。人口血管を取り除いても100%菌がなくなるとは限らないとも説明があったようです。
取り除いた場合、もともとの硬化症の改善は望めないのではないでしょうか。
また、1箇所の人工血管を取っても他の2箇所の人工血管が菌に侵されていない(今後、侵されない)保証はあるのでしょうか。
アドバイスいただければ幸いです。

回答

叔父様が閉塞性動脈硬化症で手術を受けられた後、術後の経過が思わしくない由で思い余って第三者の意見を求められているものと存じます。
術後かなり厳しい状況にあるもののようですが、こういう場合病人の様子も見ていない、また現場の専門的な判断がどのようなものであるか全く知らない第三者が意見を述べることはきわめて難しく、また無責任な意見になる恐れもありますが、以下あくまで一般的な意見として述べます。
もともと人工血管というのは無菌のものですから、おそらくその後の血栓除去や再手術などの処置が行われた間に細菌感染が起ったものと思われます。これを洗浄や薬剤だけで治すことは容易でなく、悪くすれば全身の感染(敗血症)に陥ることもあり得ることです。体に入れた人工臓器が感染源となってその感染が治療で容易によくならない場合はその人工臓器を取り除く(あるいはものによっては取り替える)というのは医学の原則と考えてよろしいのです。人工血管を取り除くという話も出ているようですが、全身の状態が悪化しないうちに行う必要があります。医師側が検討の結果、人工血管を取り除くべきだという意見に至っているのなら、やはり取り除くことが最善の道ではないかと思います。
取り除いた場合、もとの硬化症の改善は望めないかというご質問に対しては、元の状態がわかりませんのでなんとも答えようがありませんが、人工血管を3箇所に入れる必要があったということから考えますと、術前からかなり重い動脈の閉塞があったのではないかと想像できますので、人工血管を取り除いても元の状態に戻るのがせいぜいという感じが致します。

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