疾患別解説

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僧帽弁逸脱と胸痛

28歳 女性
2006年5月26日

幼い頃より安静時、心臓がしめつけられるように痛むことがほんのたまにあり、4年前くらいからそれが以前より頻繁になりました。(長くて1分ほど。息をとめたり、浅くすると治まっていくが、深く息をすると痛みます)。そこで2年前に病院を受診し、心電図、エコー(心エコー)を行いました。異常はなく、この歳で狭心症はないだろうということと、弁のせいで血液の逆流が少し認められることから、痛みはそれが原因なのではないかと言われました。
高校の頃よりスポーツマン心臓、不整脈等で心電図検査にひっかかり、24時間心電図検査(ホルター)をしたこともあります。

現在妊娠4ヶ月に入り、一週間前から心臓のピクピクした動きが外部からもみえるようになり、今までなかったことなので、不安になりました。心臓に負担の増す妊娠生活は大丈夫でしょうか。

回答

28歳で、エコー上の僧帽弁閉鎖不全があり、胸痛がつらいということであれば、僧帽弁逸脱症であり、それにともなう胸痛であろうと考えます。僧帽弁逸脱はエコー検査が行われるようになって、高い頻度で発見されるようになりました。そして、それまで、原因不明の胸痛といわれていた人の多くに、これが認められたということがあって、この胸痛も僧帽弁逸脱現象と関係があるのであろうといわれるようになったのです。
しかし、僧帽弁逸脱があると、なぜ胸痛が起るのか、説明はできていません。弁が逆転するときに、心室壁をひっぱるので痛むのだろうといわれたりしていますが、痛みはいつもあるわけではなく、思い出したように時にみられるので、それで説明されるものでもないようです。
わかっているのは、痛みは将来、忘れたように治ってしまうものであるということであり、また、薬を用いるとすれば、交感神経遮断薬(ベータ遮断薬)を試みてみるということくらいです。もちろん、将来、このために、何か困ったことが起こったということはありません。気にしないで、放置しておいては如何でしょうか。妊娠、出産には支障はありません。病院を受診するのであれば、循環器内科がよいと思います。

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