人工心肺を使わずに弁膜症の手術は可能か
40歳のときに心筋梗塞(前壁壊死)で40日入院、その後、薬物治療をしていましたが、54歳のときに再度心筋梗塞を発症し、冠状動脈2本のバイパス手術をしました。
半年ほど前に早期胃がん手術(内視鏡的切除術)の際、心臓のエコー検査、カテーテル検査により、心房細動(慢性化)が見つかりました。
現在、僧帽弁閉鎖不全・増大3°、心機能の低下39パーセントです。
体力のあるうちに2度目の開胸手術をしたい(僧帽弁、冠動脈バイパス)と思います。
希望としては、人工心肺を使わない局所麻酔でできる最新医療を受けたいのですが、可能でしょうか。
回答
あなたの希望しておられる手術は僧帽弁閉鎖不全症に対する手術であると存じますが、この手術は人工心肺を使わない局所麻酔での手術は不可能です。人工心肺を使わないで出来る手術というのは冠動脈バイパス手術、すなわちあなたが以前にお受けになった手術であり、弁膜症の手術は手術はごく簡単な場合を除いてはその方法は取ることが出来ません。
ところで、冠動脈バイパス手術をお受けになった時には、弁の方はまだ大丈夫だったのでしょうか?気になりますことは、心筋梗塞の後遺症としての僧帽弁閉鎖不全というのも有り得るからです。冠動脈バイパスを行った後のこういった手術は技術的にもかなり高いものを求められますので、大学病院など心臓外科についての経験の豊富な病院を選ばれるのはよいことだと存じます。