バイパス術後のカテーテル検査で一時心停止に
私の父のことでご相談いたします。父は今月初めに冠動脈バイパス手術(3枝)を受けました。初めの計画では内胸動脈を左前下行枝に、橈骨動脈を残りの2本につけるものでした。しかし、事前の説明もありましたが、術中に橈骨動脈の長さが足りず、結局、大伏在静脈の方を右冠動脈にしました。その結果、術後は順調に回復いたしました。しかし、先週、術後の経過を見るため、カテーテルの検査があり、その際に一時心停止が起こりました。担当医の話によると、
1)胸動脈が普通の方より大きいために造影剤が多く入りすぎたため
2)大動脈につけた橈骨動脈の検査をしようとした際にうまくいかず、つなげた部分に触れざるを得なかったため、攣縮が発生した。との見解でした。
電気ショックなどで事なきを得ましたが、その際の画像を拝見すると、縫い目から造影剤が漏れるのが見え、接合部分が白くなっていました。担当医はお薬をきちんと飲んでいれば大丈夫とお話されましたが、家族と致しましては心配でなりません。残り2本の方は異常がないとのことですが・・・。
橈骨動脈のその部分によって、今後異常が起きないのでしょうか?
造影剤が漏れている状況で大丈夫なのでしょうか?
回答
1)検査のときに一時心停止が起こり、担当医が、攣縮が発生したといったのは、カテーテル操作中にカテーテルが冠動脈壁を刺激して攣縮を誘発したということであったのであろうと思います。カテーテル検査にあたっては、ときにみられる現象です。このことがあったから、今後も攣縮が起こりやすいとはいえませんが、万が一を考えて、治療薬はしばらく継続することが望ましいと思います。
2)造影剤がもれたといわれますが、考えられないことです。造影写真が光をかぶったかして、一時的なハレーション現象を起こして、白く写ったのでしょう。
あるいは小さな側副血行があって、そこに造影剤が流れたのかも知れないと思います。このこと自体は心配のないことだと思います。