疾患別解説

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バイパス手術で3本のうち1本を枝の血管につけてしまった

63歳 女性
2004年10月17日

63歳の母は、10年前に発作があり、心房中隔欠損が発覚し、手術を勧められましたが、本人が拒否。
その後定期的には通院していますが、この夏に再度発作がおき、血管が細くなっている箇所がいくつかあり、穴の大きさも2センチ、心臓も肥大もみられ、欠損手術とバイパス手術を勧められ、先月手術しました。

術後のカテーテル検査の後に先生から呼ばれ、バイパスを3本つけたが、そのうちの一本が枝の方の血管につけてしまったそうです。太いところが脂肪や筋肉で隠れていて見えなかったそうです。このままでは心筋梗塞をおこす可能性が高いので、再手術を勧めますが、再度バイパス手術をするのは危険なので避けたい。風船か金属による方法を勧めますとのこと。

血管が脂肪や筋肉に隠れていて見えなかったとはありえることなのでしょうか?
また、よくある事なのでしょうか?
やはりバイパス再手術は危険なのでしょうか?

回答

お母様の病気についてお答え致します。
バイパス3本のうち、一本を目的として場所でないところにつけてしまったということですが、このようなことはしばしばあるとは申しませんが、時にはあることです。
再手術になると、癒着その他で前回よりも手術が困難になるので避けたいということだと思います。しかし3ヶ所のバイパスが必要であった訳ですが、今は1ヶ所だけが再手術をすれば良いのですから、今度は風船、或いはステント(金属)を用いる方法でよいというのは考えられることです。その方が手術よりもリスクは少ないので、それをお受けになるのが良いと思います。
辛い手術を耐えたのに納得いかないというお気持は良く解りますが、この付け違いをミスであるとは言い切れません。脂肪や筋肉で隠れていて血管が見つかりにくいという可能性があり、実際のその時の状況は、手術をした外科医でないと判断出来ないからです。
今回のことは手術をした外科医の方から話があったことだと思いますが、もしも外科医が正直な人でなくて、黙って手術がうまくいったと済まされていても、恐らく誰にも解らないことだと思います。敢えて予定した場所につなげていないと言われるのは、自らにとっては不名誉なことでも、患者さんの生命を一番大切に考えておられるからだと思います。
医学というのは現在でも100%確実なものではありませんので、こういったこともある程度の確率で起こっています。風船又はステント治療が適当かどうか、他の循環器内科医の意見を聞くのも一つの方法であると思います。

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