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ステント挿入に際して、小さい血管が潰れるかもしれないといわれた

55歳 男性
2004年3月15日

40歳頃より高血圧を治療していましたが、昨年8月から階段等で胸が苦しいので、病院で検査していただいたところ狭心症がわかり、そのまま入院しました。
90%閉塞していた右中央の冠動脈付け根部分にステントを入れ、その先に40%程度閉塞している部分も見つかりましたが、場所が長いため、夏以降第三世代のステントが承認されたらそれを入れましょうと説明を受けました。
ところが今年2月頃より長距離を歩いたり、自転車に乗って走っていると胸が痛くなるため、病院にいったところ夏以降にステントを入れる予定の場所が閉塞してきており、今月末に処置することになりました。

主治医からは、今回の場所には枝分かれする血管があり、ステントを入れると枝分かれしている細い血管の方が閉塞する可能性もある。今回は太い血管を守り、細い血管は閉塞もやむを得ないとの見解で、そのための小さな梗塞の症状は1日ほど胸が痛いだけですとの説明をいただきました。

経験の無い私には、本当に心臓の血管が閉塞しても大丈夫なのかがわかりません。この方法が一般的なのか、ほかに選択肢があるのか、無いのか、わかりやすく教えて下さい。

回答

冠動脈のバルーン拡張あるいはステントの留置にあたっては、その部位から枝分かれする小さな血管をつぶしてしまうことはときにあることです。もちろん、できるだけそうした小さな血管も温存するように計らうのですが、結果的にうまくいかなかったという場合があり、あるいは、当初からその可能性があるとして事前に承知しておいていただくという場合があります。小さな血管の場合には、それが潰れても、周辺からの血行がそれを補って何も起こらないのが通例なのですが、周辺からの血行がないときには、ご心配のように、その部分の心筋は壊死に陥ってしまいます。しかし、その範囲は小さいものであり、痛みがあったりすることは滅多にないことです。症状はないのですが、壊死に陥った心筋細胞から遊離する逸脱酵素(CPKといいます)の血中レベルが上昇するので、小さい血管を潰したなとわかる程度のことです。もちろんそれでも、そういったことはない方がよいのですが、太い血管を介する心臓への血液灌流を保持するためには、小さい血管の血流を犠牲にしなければならないことがあるというようにご理解ください。

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