疾患別解説

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冠動脈4か所狭窄でバイパス手術を勧められた

69歳 女性
2003年11月22日

数年前から寒い時期の外出時に耳の下から背中にかけて締め付けられるようないやな感じがありました。15年来、高血圧・高脂血症(コレステロール値は薬服用で280位)の薬は飲んでいました。今年5月、血圧190の日が2、3日続き、いったん下がった後、狭心症の発作(今までのいやな締め付け感の強いもの)が起き、近くの病院へ入院して99%の狭窄箇所にステント、90%の所にバルーンの治療をして頂きました。あと75%の狭窄が2箇所ありましたが、そのままでした。
今月、半年後の検査を受け、バルーンの所が又75%に、その先に新たに90%の狭窄、以前75%だった所が一箇所90%になっているとのことで、症状の進み方も早いし狭窄箇所も多く、75%の所は長い狭窄という理由で、心臓血管外科医よりバイパス手術を勧められております。冠動脈3本にバイパスをつけるということです。
ところが、かかりつけの内科のお医者様は90%ならまだ手術しなくてもよいとのご意見ですし、義兄(医者)も同じ意見です。義兄は自分でも15年前に狭心症発病、5年前に心筋梗塞であと3ヶ月の命と言われ、バイパス手術を受けております。

今は手術は避けて、カテーテル治療で暫く様子を見ようかと考えておりますが、心臓血管外科の先生は、90%の狭窄には次の90何%というのはなく即100%であり、このまま静観は論外、カテーテル治療をしてもすぐ詰まる可能性が高いので無駄でしょうと言うご意見で、決めかねております。
糖尿などの合併症はありません。現在の病院の循環器の医師からはかかりつけの医院からニトロを出してもらうようにとの指示があり、出していただきました。今は時々動悸がしたり、血圧が高め(普段は120?130、高い時は160位)程度で、他にこれといった自覚症状はありません。
今、バイパス手術を受けた場合と、受けずにカテーテル治療で済ませた場合のそれぞれのメリット・デメリットについてご教示頂ければ幸いと存じます。

回答

バイパス手術とカテーテル治療では、当然のことですが、外科的な開胸手術であるバイパス手術の方が身体への侵襲度が大きく、長期の入院を必要とし、命に関わる可能性も高いといえます。逆に、カテーテル治療は致命的となる確率はバイパス手術より少ないのですが、再狭窄という厄介な問題があり、治療を繰り返す可能性があります。3本の冠動脈の4カ所を治療すれば再治療が必要になる可能性は相当高いでしょう。しかしこれはどの冠動脈に、どのような狭窄があるかによって大きく異なりますから、一概には言えません。バイパス手術は血行不良を一期的に解消する治療法で、再狭窄が起こる可能性は極めて少ないのが特徴です。逆にカテーテル治療は治療が完成するまでに何度も治療を繰り返す可能性のある治療法で、時間が掛かる治療法といえます。一般的には冠動脈2本までならカテーテル治療、3本や左主幹部といわれるところならバイパス手術とされていますが、冠動脈の状態、術者や施設の熟練度、患者さんの希望などから一人一人に適した治療法を決めるのがよいと思います。

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