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心房中隔欠損症に対するクマリンの効果

44歳 男性
2009年3月21日

エコー検査で心房中隔欠損症の診断を受けました。医師の話では、至急の手術は必要なく、血液粘度を下げて欠損部分の拡大を防止するとのこと。そのため、クマリンを常用するとのお話でした。
1)クマリンの効果
2)今後の生活への注意
3)クマリンの常用期間
4)心臓カテーテル手術の実施の必要性
について、教えてください。

回答

1)心房中隔欠損は先天性の異常ですが、気付かれないままに成人し、心臓症状がでてきてから、診断されることが多いものです。この場合の心臓症状として多くみられるのが心房細動です。クマリンとはクマリン系薬剤の総称で、血液凝固阻止薬をいいます。この代表的なものが、ワルファリンです。心房細動になると、心房内に血栓ができやすくなり、これが脳に飛んで脳梗塞を起こすので、クマリン系薬剤を用いて、血栓形成を予防するのです。ただし、この薬剤には欠損孔の拡大を防止する働きはありません。
2)生活上の注意や運動の注意は欠損孔の大きさ、心臓機能の状態、心房細動の状態によって左右されます。一般的には、運動は好ましくありません。
3)クマリン系薬剤は心房細動がつづく間、終生、継続することになります。服用期間中には、血液凝固性の定期的なチェックを受けなければなりません。
4)カテーテル手術は小児の場合にはよく行われますが、成人ではまだ、一般的ではないようです。カテーテルで閉鎖できる場合には条件があるので、担当医の考えをよく伺ってください。

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