肺動脈狭窄症の妊娠・出産
小さい頃からマラソン・山登りは人と同じようにはできませんでしたが、あまり生活には支障はなく、それ以外のことは何でも普通にしてきました。学校の健康診断で心雑音はいわれていましたが、再検査をしてもいつもわからずに終わっていました。18歳のときに大学病院でカテーテル検査をして肺高血圧症(38mmHg)とだけ言われましたが、たいして説明も指導もなく、普段の生活に支障がなかったので、そのままになっていました。結婚後、妊娠してはじめて重篤な病気と知り、18歳の検査結果を取り寄せ、大学病院へ受診するが、その結果では原因も分からないと言われ、あまり変化がないと言うことで、4年前に出産しました。2年後、カテーテル検査にて肺動脈狭窄のため肺高血圧との診断。昨年また妊娠したのですが、担当医師と相談のうえ、断念しました。
今こうして相談するのも失礼かと思いますが、やはり肺高血圧の妊娠・出産は無理なのでしょうか。ただ、今回妊娠した時のエコーでは、2年前のカテーテル検査より圧があがっていたと言われました。私自身も妊娠中いつもより呼吸がしにくい気もしました。肺高血圧症の妊娠・出産について聞かせていただきたく思います。
回答
38mmHgの肺高血圧というと、軽症の肺動脈狭窄症と思われます。肺高血圧がある状態での妊娠・出産は循環血液量が増加し、かつ、出産時には息みなどによって右室負荷が増大することが問題となります。また、細菌感染が重なることによる細菌性心内膜炎も注意しなければなりません。多分、今回は、エコー検査上、圧の上昇があり、妊娠中の息切れがあったりしたことが、妊娠継続を断念した理由なのでしょう。圧の上昇と息切れの症状の程度が問題となりますが、十分な管理下におけば、今後も出産は不可能とはいえないように思われます。まだ、機会はあるとお考えになって、担当医とご相談ください。