心房中隔欠損症の治療
シャント率60%以上、Qp/Qs2.0以上で手術適応と診断され、今後のことを考えると手術した方がよいといわれています。
1)手術後、今ある倦怠感や疲労感はなくなるのでしょうか?
2)手術なしで、自然と穴が塞がることはないのでしょうか?
3)手術の方法はどのような方法なのでしょうか?
4)術後は、どれくらいで普通の生活に戻れるのでしょうか?
回答
1)心房中隔欠損の手術をお受けになって倦怠感や疲労がなくなるかどうかは、その倦怠感や疲労が心房中隔欠損のための症状であるかどうかにかかっています。多くの場合、それらは大きな心房中隔欠損の症状ですので、手術で良くなることが期待できます。しかし症状が心房中隔欠損以外の理由であった場合は、良くならないこともあり得ます。
2)手術しなくても孔は塞がらないのかとのご質問ですが、手術しなければ孔は塞がりません。ただ、カテーテルで塞ぐ方法が最近開発されていますが、まだ我が国では広く普及しておりませんし、現在のところでは手術で閉じる方が確実です。(心臓病をよく知ろうQ&A集?心房中隔欠損症のカテーテル治療について)
3)手術の方法は人工心肺装置を使って身体の循環を一時的に代行し、その間に心臓を開いて心房中隔にある孔を閉鎖します。閉鎖するのは自分の心臓を包んでいる心膜で閉鎖する場合が多いのですが、合成材料が使われる場合もあります。
4)術後普通の生活に戻れるのは、積極的に生活している人であれば、1週間くらいで退院し、2週間もすれば普通の生活に戻れます。しかし、手術後2ヶ月も色々と愁訴のある場合もあります。