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61歳で心房中隔欠損の手術に耐えられるか

61歳 女性
2004年1月 7日

61歳の母の件です。
以前から、体が重い、時々胸を締め付けられるような痛さ、動悸、不整脈などがあったようですが、最近、階段を上がるのが異常に苦しい、体がむくむ、重いものが持てない、などのはっきりとした自覚症状が出てきたようです。
先天性の心臓病として、心房中隔欠損症は、症例も多く、手術の成功率は高いと聞きますが、どれを見ても、幼少時、若しくは遅くても40歳くらいまでに発覚し、手術をすると書いてあるので、61歳という高齢での検査・手術が、果たして同じように高い成功率で行われるのか心配です。
また、手術が高齢の体に与える負担も不安です。手術自体が耐えられるのか、また、その苦痛に耐えるに値する程の日常生活の向上が本当に見込めるのか、逆に手術をしたことで、将来、体力や抵抗力が低下するようなことはないのでしょうか。

40代以降、過呼吸症候群や、高血圧などがありました。現在、心臓肥大が確認されています。2週間後にはカテーテル検査で3?4日検査入院を予定しています。
主治医からは、血液中の何かの数値が、通常18くらいのものが、255もあるのが気になるとのこと。また、今後、さらに高齢になるにつれ症状が進むと、手術も難しくなるので、できれば今のうちに手術を勧めるとのこと。放っておけば、多血症になり、ますますしんどくなり、動けなくなるとのこと。

回答

階段が苦しい、むくみがある、重いものがもてないといった症状は心不全の症状です。お示しの数字はBNPという心臓ホルモンの値と思われます。この数字からみると、重症というほどではありませんが、中等度に心臓に負担がかかっている状態であろうと思われます。心房中隔欠損症では心房を仕切っている中隔が完全に仕上がっていず、ここに穴が残っていて、全身に送り出されるべき血液の一部が左房から右房に短絡して再び肺を巡ります。このため、右房・右室は通常の2倍、ときには3倍もの仕事を強いられることとなり、心臓の疲労が進みます。
あなた様がお調べになったように、40才代で症状が出てくるのが多いのですが、それはこの年齢になって、こうした疲労現象が出てくるためですが、他に心房細動という不整脈が出てくるためである場合もあります。高齢であっても、手術がうまくいくと、心臓の疲労の進行は止められますし、不整脈の出現を予防することにも可能性が出てきます。これからの人生の長さを考えると、61歳という年齢は、丁度手ごろな年齢であり、決して高齢すぎることはありません。ただ、手術の効果は中隔の穴の大きさというよりも短絡している血液の量や不整脈の有無によって異なります。精密検査をきちんと受けて、その結果をみた上で判断することが望ましいと思います。

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