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71歳の心房中隔欠損症の手術の可否

71歳 女性
2003年10月15日

母の心臓に小さな穴があることは知っていましたが、普通に暮らせるので特に治療はしていませんでした。
10数年前に総合病院で手術を勧められ、カテーテル検査を受けましたが、麻酔がなかなか覚めず身体的に辛い目にあい、結局手術を受けなかったという経緯があります。

10年来掛かりつけの診療所の内科の先生には、大変良くして頂いており、絶えず心電図や心エコー検査をして、血栓が出来難くする薬や貧血の薬などを処方して貰い、一番良く症状を理解して頂いております。今までどうにかやって来られたのも、この先生のお蔭と本人も信頼しております。

数ヶ月前、便に血が少し混じっているので、総合病院で腸カメラ検査を受ける事になったのですが、そこで出された量の下剤を飲むと脱水症状を起してしまいました。
総合病院でも再度精密検査を受け、心臓がかなり肥大している事や肺への血流量が手術の目安の3倍を超えているなどと説明され、すぐ手術を受けるように強く勧められました。このときも本人の強い希望により手術は受けずに、当初の腸カメラ検査だけを受け、腸は大変きれいで問題無しと診断されました。

診療所の先生にも手術について相談しましたが、71歳という高齢のためか積極的に手術を勧められることはありませんでしたが、その気があればいつでも紹介しますとは言って下さいました。

現在の母は、階段や坂道の上り下りはさすがにきつそうですが普通に生活しております。ただ、やはり風邪はひきやすく、一昨年今年と冬に風邪をこじらせ肺炎を併発してからは、体重も30キロ近くに痩せて風邪をひくと見ていても辛そうです。

専門病院で手術前の検査だけでもと勧めてはみたのですが、体力的に手術に耐えられるのか、よしんば手術が成功したとしても本当に今以上に元気に暮らせるようになるのかなどと考えると、良くはならなくともこのまま平均寿命位まで生きられるのなら、本人の希望するとおり手術しない方が良いのでしょうか。それとも説得してでも手術を受けさせた方が良いのでしょうか?

回答

心房中隔欠損症というのは人によってその病状はさまざまで、欠損部の穴の大きさはもとより、それによって生じている心臓や肺の状態が千差万別で、手術をしなくても正常人と全く変わらない人から年とともに病気そのものが進行していく人までいろいろあります。一般に手術の可否を決定するには心エコー図や心臓カテーテル法の成績をもとに、本人の年齢、体力、過去の病気の後遺症などを総合判断して決めるわけですが、カテーテル所見が10数年前ということではとても現状を判断するわけにはいきません。やはり検査をやり直して今回改めて判断しなおす必要があります。71歳という年齢は必ずしも障害にはなりません。

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