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大血管転位症とはどんな病気で、どんな手術を行うのでしょう

0歳 男性
2008年1月20日

息子は、出産後翌日に大血管転位症と診断され、エコー検査で肺動脈狭窄もみられたため、3型の大血管転位症と診断されました。突然のことに親として驚いています。
病気の詳細、手術の方法、術後の生活、運動能力、現在の生存率、この病気についての名医・病院、今後親としての注意点、医療費の補助等、わからないことばかりですので、教えてください。

回答

完全大血管転位は、肺動脈が左室から、大動脈が右室から起始します。全身から戻った静脈血は右房、右室を通り大動脈に駆出されます。一方、肺から戻った肺静脈は、左房、左室を通り肺動脈に駆出されます。このままでは生存できません。高度のチアノーゼを認めます。
以前は、一時的にカテーテルで心房中隔欠損を作成して、1歳近くなってから、心房内血流転換術(マスタード手術あるいはセニング手術)を行いました。最近は、動脈位変換手術後(ジャテン手術)を多く行います。これは、大動脈と肺動脈をすげ替える手術です。

心室中隔欠損、肺動脈狭窄を合併する場合は、3型といいます。この場合についてお話します。心外導管手術(ラステリ手術)を行います。この場合は、右室の血液は、人工血管経由で肺に流れます。全身への血液は、左室がうけもちます。
多くは、成人期までに、肺動脈狭窄が進行し再手術が必要になることが少なくありません。大動脈の下の部分が狭くなる場合もあります。成人期に近くなると不整脈の合併にも注意が必要です。学校は普通に通えますが、競争などの運動は行わないことが普通です。事務系の仕事が多いのですが、就業も普通に行えます。既婚率も低くはありません。手術後の長期成績は、日本は他の国よりも良く、多施設共同研究では20年で88%と言う状態です。
この病気は特に珍しいという病気ではなく手術の成績も良いので、ある程度の手術数をこなしているチームであれば、施設による差は大きくありません。したがって、特に、この手術の名医といわれる外科医はいません。
子どもの心臓病では、普段は、慢性特定疾患、手術時は育成医療などの助成が受けられますので、医療費に関しては、大きな負担はないと思います。保健所、市の福祉課などにおたずねください。

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