ファロー四徴症の修復術後の再手術
生後約1ヶ月の頃、母乳の飲みが悪いことが気にかかり、母乳外来に行きました。助産婦さんに泣いた顔色が悪いので、とにかく検査をしてもらった方がいいと言われ、すぐ検査したところファロー四徴症と診断されました。
病院を紹介していただき、生後2ヶ月少しで短絡手術、11ヶ月の時に心内修復手術を行いました。
1年後のカテーテル検査で、元々の穴を塞いで止めたパッチとパッチの間から漏れがあり、35%の圧で漏れていることがわかりました。
このままでは、将来出産は無理と言われ、薬も一生手放せないだろうと言われました。
まさか、こんな早くにまた大きな手術をさせることになるとは思っていなかっただけに動揺しています。再手術の危険性はどれくらいでしょうか?
回答
また、大きな手術を受けなければいけなくなり、動揺されているご様子をお察しいたします。さて、お問い合わせから推測致しますと、ファロー四徴症の修復手術後に、心室中隔欠損からの少なからぬ漏れが見つかり再度の手術が必要になってしまったということだと思います。
35%の圧で漏れているという点がややわかりにくいのですが、多分、漏れている率(シャント率といいますが)が、35%なのだと思います。
ファロー四徴症の修復手術後の再手術は、手術後早期に行う必要がある場合、さらに、成人になってから再手術という場合もあります。いろいろな原因がありますが、成人期の再手術をあわせると、5?10%程度の人が、再手術を受けています。その中でも、心室中隔欠損の再閉鎖は、比較的多い再手術です。また、再手術は、前回の手術の創部の癒着(傷が治ってくる過程で、心臓、皮下組織、皮膚などの組織がくっついてしまい、ここに血管が多く新生すること)が強く出血が多く、手術時間がよけいにかかります。このため、手術の危険率は、最初の手術と比べると高いと考えられます。(3倍も4倍も危険率が上がることはないのが一般的です。しかし、これは手術後現在の心臓の働きなどに左右されますので、主治医とよく相談してください)一般的に再手術が必要と判断された場合、再手術後は、薬を減らせるなど、状態が改善することが多いです。ファロー四徴症ですと、再手術がうまくいった後は、しばらく、薬が必要ですが、その後、薬を手放せるようになることが少なくありません。また、最近の報告でも、大部分のファロー四徴症の婦人の妊娠出産は可能です。ただ、学校生活では、
多少の運動制限(マラソンはやらないなど)がある場合が、少なくありません。