疾患別解説

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マルファン症候群か

11歳 男性
2004年5月 7日

息子は、毎週末に野球をしていますが、「練習中に心臓がズキンと痛む、右の肺の奥が痛む、気持ちが悪くて吐きそうだった」などと言うので、かかりつけの先生に診ていただいたところ、やや心雑音が気になると循環器科の先生を紹介していただきました。

循環器科で心電図、レントゲン、心エコー検査の結果、三尖弁閉鎖不全症と診断されました。レントゲンでは右心室が右に張り出しているということでした。
三尖弁にわずかな逆流が見られるものの、心電図に異常はなく、不整脈も見られないので治療の必要なし、運動制限なし、普段通りの生活をして構わないとのお話でした。但し、無理はしないように。辛くなったら休んで、回復したらまた普通にしていいと言われました。また、年に一度、心エコー検査を受けた方がいいと薦められました。

インターネットや医学書でいろいろと調べましたら、マルファン症候群という病名を見つけ、気にかかっています。
息子は、手を広げた長さが身長より5センチ強長いこと、乳児健診で漏斗胸を指摘されたこと、腕や掌が半回転するほどによく曲がることなど気になります。このような点は受診の際、チェックされているものなのでしょうか?

回答

手を広げた長さが身長より長く、漏斗胸を合併しているということで、マルファン症候群が強く疑われます。そこでマルファン症候群の特長について述べてみます。
その中で3個以上の特徴を有するならば、そう考えてよいと思います。マルファン症候群はフランスの小児科医Marfanが1896年に初めて記載した疾患であります。マルファン症候群は、常染色体優性遺伝の形式をとり、先天性結合組織異常を呈する系統的疾患であり、(1)骨格系症状、(2)眼症状、(3)心血管症状の3特徴を有する症候群であります。
1)骨格系症状
長い四肢、くも状指趾、関節の過伸展、漏斗胸、鳩胸、straightback(背柱が真直)、脊椎側弯、脊椎後弯、長頭頭蓋、手首徴候(1側の手掌で他側の手首を握ると拇指と第5指が重なり合う)、拇指徴候(拇指を中に入れて拳を作ると、尺側から拇指がはみ出る)、上腕より前腕が長い、大腿より下腿が長い、痩身長躯、上半身より下半身が長い。

2)眼症状
水晶体偏位(亜脱臼)、近視、網膜剥離

3)心血管症状
僧帽弁逸脱(約50%に僧帽弁逆流を伴う)、三尖弁逸脱(進行すれば三尖弁逆流を伴う)。僧帽弁腱索断裂、大動脈弁輪拡張(大動脈起始部の洋梨状拡大)、大動脈解離。

いずれにしても、専門の病院を受診し、正しい診断をつけてもらうことが大切です。

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