大道脈左室交通症
7歳の娘のことでご相談します。
昨年の検査で、心電図は異常が見てとれるほどの変化はなく、レントゲンでは左室が少し肥大、エコーの結果で2つの病名を告げられました。
現在、薬も運動制限も特になく、自覚症状がないので経過観察をしましょうとのこと。
悪化して手術をすることになっても、手術自体はそう難しいものではないとのこと。エコーから、大動脈弁と心臓の壁の接着部に穴が開いているように見えるそうで、手術は弁の形成手術をするようになるでしょうとのこと。
そこで、質問なのですが・・・
大動脈左室交通症(トンネル症)という病名について教えてください。何を調べても載っていないので、病気を理解しようがありません。
大動脈弁閉鎖不全症とは違いがあるのでしょうか?
接着部に穴があるといわれましたが、弁の形成手術で完治するのでしょうか?
人工弁の心配もあり得るのでしょうか?
珍しい病気なのでしょうか?
回答
大動脈左室交通症はまれな先天性心疾患です。恐らく先天性心疾患の中で1%より遥かに少ないでしょう。
血行動態上は大動脈弁閉鎖不全と同じです。大動脈弁閉鎖不全では拡張期に三個あるお椀状の大動脈弁尖の間から逆流が生じますが、大動脈左室交通症(大動脈左室トンネル症)では大動脈弁尖の外側の大動脈壁内のトンネルから逆流が生じます。また大動脈左室交通に大動脈弁閉鎖不全が合併することもあります。
手術はトンネルの入り口を塞ぐ手術です。普通人工弁は使いませんが、手術後に多少の大動脈弁閉鎖不全症が残ることもあります。