17歳、心室中隔欠損症の手術を考慮すべきか
17歳の息子の心室中隔欠損症についてご相談します。
生後すぐにわかりましたが、穴は小さく服薬、運動制限もありませんでした。ただ穴の位置が漏斗部に開いているので、合併症である大動脈弁逸脱、大動脈弁閉鎖不全がないかを見ながらこの年齢まできました。
12歳でカテーテル検査をしたときは逸脱もなく、手術はしなくてよいと言われましたが、16歳で大動脈弁逸脱が見られ、これが進んでくれば手術、このまま逸脱が進まなければ手術をせずに様子を見ようと言われています。
将来的に手術の可能性が高いとすれば、学生のうちに思い切って手術を受けたほうがいいのかと悩んでいます。
また、現在年1回のエコー検査ですが、このくらいの頻度でよいのでしょうか。逸脱の進む速度はゆっくりだとは聞いていますが、1年のうちに閉鎖不全、逆流などが起こって弁置換が必要になったりしないか心配です。
回答
大動脈弁の逸脱をともなう心室中隔欠損において、手術を考慮するのは、
1)逸脱が高度で、弁からの逆流も大きく、心臓への負担になっている場合か、
2)中隔欠損が大きいために、閉じる必要があるか、のいずれかの場合です。
ご質問の場合は、欠損は大きくなく、逆流もまだない状態ですので、手術の必要はないと思われます。この方の場合は、生涯、手術をすることなく、天寿を全うする可能性も大きいと思います。現状のまま、年一回のエコー検査で経過をみていれば、大丈夫でしょう。