筋性部の孔はふさがりづらいのか
1歳4ヶ月の娘のことで相談いたします。生後すぐに心室中隔欠損症と診断されました。筋性部に4mm前後の孔があるとのこと。先生のお話では、自然にふさがりづらい位置に孔があるため、将来的に残る可能性があるそうです。現時点では本人も元気であり手術の必要性はなく定期検診で様子を見守るとのことでした。将来的にも、本人の症状が安定していた場合には手術のリスクを考えると手術での閉鎖は不要だそうです。スポーツ選手にはなれないが、通常の生活では何の問題もなしとのこと。また、歯が生えてきたら心内膜炎に注意するようにとのことでした。
そこで、お聞きしたいのですが
1)孔の位置から本当にふさがりづらい位置なのか。
2)手術のリスクとは具体的にどのようなものなのか。
3)孔が空いているのになぜ手術の必要性がないのか。
4)元気でも孔の空いてない人に比べると多少の負担があるとのことですが、それは具体的にどういった時に本人はどのような症状として感じるのか。
5)生後から現在まで同一の病院で検査を受けています。検査は毎回心エコーで、検査結果の説明は「変化ありません」程度で終わってしまいますが、その程度でしょうか。他の病院も受診してみるべきでしょうか。
6)孔が残った場合、定期検査は死ぬまで必要なのでしょうか。
7)女の子ですが、出産には問題ないのでしょうか。
8)心内膜炎に注意とのことですが、生理期間中でも心内膜炎の危険性はあるのでしょうか。
回答
1)一般には筋性部の心室中隔欠損症は自然閉鎖することが多いものです。
2)筋性部の心室中隔欠損症は左室側の孔な1個ですが、右室側は肉柱の間に多数の孔があり、手術は通常右室側からパッチをあてるため、漏れなく閉じるのが困難です。
3)小さい心室中隔欠損症は心臓への負担が殆ど無いため、手術しません。
4)症状は孔を通過する左室から右室への血液量次第です。この血液量は短絡量、あるいは肺体血流比として数値であらわされます。
5)他の病院を受診しても、結果は同じでしょう。
6)定期検診は10歳以上なら数年に1回でよいでしょう。
7)出産は普通にできるでしょう。
8)細菌性(感染性)心内膜炎は、生理とは関係ありません。