心室中隔欠損症と大動脈弁変形の手術方法
3歳の息子が心室中隔欠損症1型(3ミリ)で、大動脈弁変形による逆流が少しあり、心カテーテル検査と手術を勧められているのですが、手術前の心カテーテル検査は必要なのでしょうか。また、術後も必ずするものなのでしょうか。
手術の仕方で、右心を切って大動脈弁の変形を直し欠損孔をふさぐ方法と、心臓の筋肉を切らずに肺動脈を切って大動脈弁の変形を直し、欠損孔と肺動脈の切った部分をふさぐ方法があり、医師によって違いがあるのですが、
心臓の外にある動脈管を切った場合など以外は、将来不整脈をおこす可能性もあると知り、親としては心臓を切らない方法でと考えているのですが、右心を切る手術と比べて肺動脈を切る手術の場合の利点・欠点を教えてください。よろしくお願いします。
回答
ご子息の手術については、できればやはり右心室を切らずに肺動脈を切ってそこからやって頂くほうが良いと思います。
1型心室中隔欠損の場合は、ほとんどその方法が可能で、最初から右心室を切って手術するというのは、現在ではあまり行われていないのではないかと思います。しかし、右心室を切るとしてもそれは流出路のごく限られた部分ですので、将来不整脈を起こす心配はそれほど高くありません。右心室を切って手術をしなければならなかったといって、悲観するほどのことではありません。
しかし必要がなければ右心室は切開しないほうが良いので、やはり肺動脈からの手術を選ぶのが普通だと思います。
特に肺動脈を切る時の欠点はありません。それほど難しい手術ではないと思います。
手術前に大動脈弁がどのような形に歪んでいるかということを知っておくと、外科医は前もって手術方法について考えることができます。したがって、やはりカテーテル検査はしたほうが良いと思います。
術後に大動脈弁の変形が治って逆流が止まったかどうかということは、超音波検査だけでも診断可能ですので、術後は必ずしもカテーテル検査をする必要はありません。逆流が残存していれば検査が必要になります。