慢性高山病か
現在、カナダの標高1400m位の所で生活しています。
体力には自信があったのですが、この2、3年カナダで生活し、ハイキングにいくと登りは息苦しくて皆について行けません。異常なくらい休憩を必要とし、指が曲がらないくらい手がむくみます。それに加えて下りは休む必要も無く人より早く下りる事ができます。ハイキングに精通する人には「異常だ」と言われます。
階段も3階まで登る間に息が切れます。ハイキングに精通する人には「むくみは標高のせいだ。自分もよくなる」と言われ、息切れは体力が無くなったからだと思っていたのですが、最近心臓肥大の母が身体のむくみを訴え、心筋梗塞で亡くなりました。
それで心配になったのですが、私も心臓が弱いのでしょうか?ハイキングなどしない方がいいのでしょうか?
最近お医者様に血圧を測ってもらったのですが、異常ありませんでした。きちんと人間ドックに入った方がいいのでしょうか?
回答
標高1400mぐらいの比較的高所に約3年住んでおられる。高校時代は陸上部に所属していたが、カナダで生活してから手がむくみ、ハイキングや階段を上るとき息が切れる。慢性高山病(chronicmountain sickness)ではないかという質問と解釈して意見を申し上げます。
1)むくみについて
全身性のむくみ(浮腫)は、心性浮腫(右心不全)、腎性浮腫、内分泌性浮腫、栄養障害性浮腫(タンパク、アルブミンが低い)などで起こります。
2)労作時の息切れについて
息切れは、左心不全、肺高血圧、肺疾患などのときに生じます。
個人差はあるが、通常2000m以上の高所(high altitude)に居住している人が慢性高山病に罹ることがある。
徴候としては以下の病態が生じる。
1. 赤血球増多
2. 血液粘度の上昇
3. 低酸素血症
4. 肺胞性低換気症状としては、以下の愁訴を訴える。
1. 運動能力の低下
2. 倦怠感、疲れやすい
3. 口唇チアノーゼ
4. wine red粘膜
5. バチ状指
6. 右心不全の症候
病院を受診し、診察を受け、胸部X線検査、心電図検査、血液検査などを受けた方がよいと思います。
特に心肺運動負荷テストによる呼気ガス分析は運動能力と心肺運動機能の低下の状態がわかり、息切れの重症度を評価し、今後の治療方針を考える上で有用と考えられます。