妊娠中の発作性上室性頻拍
現在、初めての妊娠で、9ヶ月になります。
17歳の頃から発作性上室性頻拍があり、不定期に年3?5回くらい発作が起きます。発作が起きる原因や傾向はないように思います。発作継続時間も数十秒くらいで治まる時もあれば、数時間続き病院で点滴をされて治まる時もあります。
検査時に発作が起きたこともなく、発作の頻度が少なかったので、当時の医師からは経過観察でよいと言われていました。
今回、妊娠5ヶ月の時に1度発作が起きました。その時は近くの総合病院に初めてかかりました。妊娠中であることもあり、循環器の先生・薬剤師が数人で薬を検討し、ワソランではなくATPを選択し、点滴しましたが治まらず、アリサミンの持続点滴でようやく止まりました。
出産予定の産婦人科の医師からは、出産においてPSVTは大きな問題にならないこと、むしろ既往として判明しているので発作が起きた時に対処しやすいこと、出産時に発作が起きても使用できる薬があるから問題ないと聞いていますが、出産時に発作が起きたらと思うと不安です。
出産時、発作が起きた場合の母体と胎児への危険性はどれほどのものなのでしょうか。
また出産にあたり、分娩を受け入れてくれる産婦人科の選択肢が少なかったこともあり、出産後カテーテルアブレーションも検討しています。
カテーテルアブレーションの安全性や、産後どのくらいからカテーテルアブレーションが可能かどうか、教えてください。
回答
発作性上室性頻拍(PSVT)とのことですが、WPW症候群に伴う房室回帰性頻拍の場合と房室結節リエントリー性頻拍の場合の2種類があり、アブレーションを行う部位と手技が多少異なりますが、ともに効果・安全性ともに高い確立した方法で根治が可能です。
病院の規模ではなく、循環器専門医特に不整脈治療を専門にする経験豊富な医師が複数常勤している施設で行えば、成功率は95%以上です。
入院日数は施設によって差があると思いますが、治療後24時間程度の安静が必要ですので、前後あわせて数日でしょうか。
時期は、出産の直後を避ければ、大きな負担のある手術ではありませんので、いつでも可能だと思います。
また出産時に発作が起こった場合でも、長時間持続することがなければ母体や胎児への危険性はほとんどないと思います。
なお、ATPという薬の点滴が無効であったとのことですが、ATPは体内に入ると数秒で代謝されて効果が消失しますので、点滴では効果が出ません。2?3秒で急速静注することによって、他の薬剤よりも安全かつ確実に発作を止めることが可能です。
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