発作性上室頻拍と妊娠時の対応
14歳頃から発作があり、先月初めて発作時に心電図をとることができ、発作性上室性頻拍ということがわかりました。医師の話では「本人が望むのであれば、投薬かカテーテルアブレーションもできますし、負担が少なければ治療なし」とのことでした。現在は何もせず様子を見ています。
治療の仕方は分かったのですが、妊娠時には具体的にどうするかという話が聞けませんでした。まだ妊娠はしていません。
そこで質問ですが、カテーテルアブレーションをしないという前提で、
1)妊娠時には投薬したくないと言われましたが、発作が起きたときに点滴治療すれば大丈夫ですか。
2)発作が頻繁に起きても胎児に影響はないですか。
3)一般の産婦人科では不整脈を考えて対応できますか。
以上3点について、お答えいただけませんか。
それとも妊娠前にカテーテルアブレーションをしたほうがいいのでしょうか。
回答
発作性上室性頻脈についてのお悩みの由、以下のご質問にお答えします。
1)頻脈発作が起こったときは、抗不整脈薬の静脈注射で完全にとめることができます。
2)発作が起こったときに直ちにとめることができれば、胎児に影響はありませんが、発作が長時間続いて心不全になれば、当然妊娠が継続できなくなったり、胎児に影響の及ぶこともあります。
3)一般に不整脈の対応は内科医の領域ですから、産婦人科医は内科医に相談するのが普通です。
発作性上室性頻脈は人によりその程度にさまざまなものがあります。めったに起こることがなく、起こってもすぐに自然停止するものから、発作が頻回に起こってその都度病院に駆け込む人もあります。妊娠との関係をご心配のようですが、人によっては妊娠後期に不整脈が頻発することがあります。文面からは現在の症状がどの程度のものか、また将来の妊娠時のことを予見することもできませんので、あくまで筆者の意見ですが、妊娠する前にカテーテルアブレーションをしておいたほうが良いのではないかと思います。最近ではアブレーションの技術も進歩して安全性が高まり、合併症も少なく、治療法としてほぼ確立したものになっています。
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