疾患別解説

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カテーテルアブレーションの成功率

32歳 男性
2004年8月15日

すでに5年前より心電図・ホルター検査等にて上室性頻拍と診断され、当初はワソラン1錠×3回/日を飲んでおりましたが、数年前より発作回数が増えたことにより2錠になりました。

最近、薬を服用しても発作が出る頻度が多くなり、主治医に相談したところ、「最後はあなたの判断ですが、カテーテルアブレーションをするいい時期」とおっしゃり大学病院を紹介するので、やってみたらどうかと勧められました。

そこで、相談なのですが、
1)このような状態の場合、やはりアブレーションは有効なのでしょうか?

2)この手術方法はいつ頃どこで始まり、現在日本ではどのくらいの病院で行われているのですか?そして平均的な成功率は?

3)もし手術を受ける場合、何を基準に施設選定をすれば良いのでしょうか?

4)各病院による成功のバラツキ等は大きいのでしょうか?

5)近々に紹介病院に行こうかと思いますが、これだけは聞いておくべきと言うことがありましたら、教えてください。

回答

1)アブレーションがすすめられるのは、発作が頻回にあって、そのために心不全状態となったり苦痛が大きい例で、薬物治療が有効でない場合となっていました。しかし、最近では、この治療法が安全かつ効果が確実となってきて、薬物治療よりも優先されるようになりました。

2)アブレーション治療が一般的となったのは10年ほど前のことです。冠動脈造影検査と同様に、循環器科を標榜する病院の多くで行っています。成功率は頻拍の機序にもよりますが、90ないし100%といわれています。
事故率は古い統計では0.4%となっています。血管を穿刺するので、そこに血腫を残すことがもっとも多く、カテーテルによる血管や心臓壁の穿孔、興奮伝導路を傷害することによるブロックの出現、肺塞栓や脳虚血発作などがこれに次ぎます。

3)施設の選定にあたっては、年間にたくさんの症例を扱っている施設ほど安心して任せられるということになります。

4)難しい症例の場合は別ですが、通常の例ですと、病院ごとの成功率に大きなバラツキはないと思います。

5)成功率と安全性について、受診した病院における成績を確かめられるとよいと思います。

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