徹夜明けの草野球中に頻拍発作
5年程前の夏、徹夜明けの草野球中に、急に走り出したところ今まで味わったことのない凄まじい動悸に襲われました。脈はリズムよく打っていましたが、その速さとものすごい拍動(どきどき)に自分ならず周りも驚くほどでした。その時は思い切り息を吸い込んでいきんだら3?4分程で頻拍はおさまりました。
その時病院に行きましたが、脱水かな?と言われて特に治療をしませんでした。それからは運動をする時はいつも、水分の補給を心がけ、あまり気にしないようにしていました。
すっかり忘れてかけていた4年たった去年9月ごろ、また徹夜明けで野球をし(そのときはもの凄く体調が悪かったのを覚えています)また、急に立ち上がって走り出したときに、また同じような頻拍に襲われました。
その時も7?8分で治まったと思うのですが、周りの皆がその脈に驚いて救急車を呼んでくれ(到着時には治まっており、救急車の中では120位の速さでした)病院に行き、水分補給の点滴みたいなものを受け帰りました。その後、24時間心電図、エコー検査、レントゲン、その他の検査等を受けましたが、異常なしとのこと。
上室頻拍というのは疲労(先生は自立神経の疲労が原因とおっしゃっていました)だけで起きるものなのでしょうか?
副伝導路という話をインターネットで見たのですが、潜在的に持っているものでしょうか?私の場合もそういう副伝導路とかがやはり関係しているのでしょうか?
また頻拍が起きたらどうしようかと思ってしまいます。もう2度とおきない可能性もあるのでしょうか?おきても本当に危険は無いのでしょうか?
回答
病気の様子から病名は間違いなく発作性上室頻拍症と思われます。原因が疲労だけから起こるのかという疑問をお持ちのようですが、確かに疲労は間接の原因になるかもしれませんがそれだけではありません。多くの場合心臓に副伝導路を持っている人に起こります。過去2回とも急に走り出したときに起こっているようですが、急に階段を駆け上がるときとか、ゴルフのクラブを振った瞬間とか、体に急に衝撃がかかることが発作の直接のきっかけになることがしばしばあります。しかしそれだけではなく不整脈のひとつである期外収縮がきっかけになることもあります。
発作が起こると大きく息を吸い込んでいきむ、胸を叩く、顔に冷水をつける、指をのどに突っ込んで嘔吐運動をしてみる、などの方法で止まることはありますが、いつもそうして止まるわけではなく、時には病院に駆け込んで注射でとめてもらう必要も生じます。頻拍発作が治ってしまうと全くもとの正常な体になってしまうので、もうこれで大丈夫と思いがちですが今後再び起こらないという保障は全くありません。いつどんなときに起こるか知れませんので、将来に向かっての治療対策を考える必要があります。
この頻拍発作には予防薬もあります。常時服用することによってかなりの程度予防は出来ますが、それでも完全ではありません。根本的な治療法としてカテーテル焼灼術というのもあります。10数年前から急速に進歩した治療法で現在では安全性も成功率も極めて向上しています。
今後どういう治療を受けるにせよ一度不整脈の専門家にみてもらうべきだと思います。