子どもの心臓病の発症数
およそ100人に1人は、生まれたときに心臓に何らかの問題を持っています。生まれたときから心臓に異常がある病気を"先天性心疾患"と呼んでいます。
監修:住友直方(埼玉医科大学 国際医療センター 小児心臓科 特任教授)
もし、あなたが心臓になんの疾患もなく、元気に生活しているのであれば、
ぜひ知ってほしいことがあります。
2023年5月 改訂
生まれたとき、心臓に何かの異常のある人がいます。心臓病があっても自然に治ってしまう人、一回の手術で治る人、何回もの手術が必要な人、手術が難しく心臓に負担をかけないよう運動や日常生活を制限している人、などさまざまな病態の人がいます。
それ以外に、生まれた後に心臓病に罹る人もいます。ずっと薬を飲み続けたり、運動制限が必要な人もいれば、外科手術、カテーテル治療が必要な人、ペースメーカなど、心臓の脈拍を上げたり、心臓の動きを助けたり、不整脈を治療するための器械を植込む必要がある人もいます。さらに重症の場合には、補助人工心臓や心臓移植が必要な人もいます。
症状が出なければ、心臓病を持っていても普通の人と見た目に変わりません。しかし、彼らは症状が出ないよう、運動や日常生活に制限をかけて、自分で病気を調節しながら社会の中で懸命に生きています。
とくに心臓病を持つお子さんは、他の子どもと同じように遊ぶことや運動することができない心の痛みを感じながら生活しています。
もし、あなたの周りにそのような方がいたら、温かく接してあげてください。彼らと社会生活をともにする機会があれば、精神的な支援をしてください。
ここでは、子どもの心臓病を中心に、病気の種類や治療について簡単に説明します。もっと詳しく知りたい方は、下記のリンク集や参考図書をご覧になるか、患者団体にお問い合せください。
およそ100人に1人は、生まれたときに心臓に何らかの問題を持っています。生まれたときから心臓に異常がある病気を"先天性心疾患"と呼んでいます。
先天性心疾患には、何も治療の必要がない軽いもの、自然治癒するものから、すぐに手術が頻度必要なものや難治性の重症なものまで、さまざまな病態があります。
心臓には血流を調節する弁がありますが、生まれつきこの弁に異常がある人がいます。
最近、先天性心疾患を胎児のうちに超音波検査(エコー)で発見することができるようになりました。
現在、子どもの心臓病手術の危険率はおよそ3~4%といわれています。重症だと約30%、軽ければ1%以下の死亡率です。
生まれたときは健康でも、小さい頃に心臓病にかかることもあります。川崎病に罹ると、心臓全体に血液を送る冠動脈に瘤ができることがあります。
日本全国で、1年間に18歳未満の子どもが心筋症を発症する数は、70~100例ほどです。日本では学校健診の制度が整っているので、早期に治療を開始することができます。
子どもの心臓病に関するよくあるご質問と回答を掲載しています。
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