第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
杉本恒明氏は開会にあたり、「今回のメディアワークショップは、当財団役員の矢崎義雄先生、小川聡先生、山口徹先生より、二次性高血圧をもたらすなど呼吸器のみならず循環器疾患との関連も深い睡眠時無呼吸症候群(SAS)をテーマとしてご提案いただいた」とテーマ選定の経緯を紹介した。併せて、SASが良質な睡眠を妨げて日中の居眠りを誘うことから、「運転中の交通事故や鉄道事故をはじめとしたさまざまな事故が引き起こされる原因とされ、社会問題にもなっている」と注意を喚起。「本ワークショップが、メディアの方々がSASに関心を深めていただくきっかけのひとつになることを期待したい」と述べた。
山口徹氏は、SASについて「もともと呼吸器の疾患で、交通医学で重要な位置を占める疾患であると認識されていたが、実は同時に高血圧や心不全などの循環器疾患と強く関連していることが明らかになっている」と紹介。さらに、SASはメタボリックシンドロームと比肩するほど潜在患者が多いと言われていることに触れ、「今回、SASをめぐって講師の先生方から最新の知見をお話しいただくが、メディアにかかわる皆様にも、SASが非常に身近な疾患で、広範な人々に影響を与えるものであることをご理解いただきたいと思う」と述べ、座長挨拶とした。
【目次】
INDEX
- 第23回 日常に潜む脳卒中の大きなリスク、『心房細動』対策のフロントライン―心不全の合併率も高い不整脈「心房細動」の最新知見―
- 第22回 高血圧パラドックスの解消に向けて―脳卒中や認知症、心不全パンデミックを防ぐために必要なこととは?―
- 第21回 健康を支える働き方改革「スローマンデー」の勧め―血圧と心拍数が教える健康的な仕事習慣―
- 第20回「家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫(おおはさま)研究」30周年記念~家庭血圧普及のこれまでとこれから。最新知見とともに~
- 第19回「足元のひえにご注意! 気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~
- 第18回「2015年問題と2025年問題のために」~循環器疾患の予防による健康寿命の延伸~
- 第17回「ネット時代の健康管理」~生活習慣病の遠隔管理から被災地支援まで~
- 第16回「突然死や寝たきりを防ぐために…」~最新の動脈硬化性疾患予防ガイドラインから~
- 第15回「眠りとは?睡眠と循環器疾患」?こわいのは睡眠時無呼吸だけではない?
- 第14回日本心臓財団メディアワークショップ「コール&プッシュ!プッシュ!プッシュ!」?一般人による救命救急の今?
- 第13回日本心臓財団メディアワークショップ「心房細動治療はこう変わる!」
- 第12回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」
- 第11回日本心臓財団メディアワークショップ「CKDと循環器疾患」
- 第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
- 第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
- 第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
- 第7回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい循環器医療機器の臨床導入をめぐる問題点」
- 第6回日本心臓財団メディアワークショップ「不整脈の薬物治療に未来はあるか」
- 第5回日本心臓財団メディアワークショップ「メタボリックシンドロームのリスク」
- 第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」
- 第3回「突然死救命への市民参加:AEDは革命を起こすか」
- 第2回 「心筋梗塞は予知できるか」
- 第1回 「アブラと動脈硬化をEBMから検証する」