第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
第8回のメディアワークショップを開会するに当たって杉本恒明氏は、来場者や講師への感謝のことばを述べたのち、テーマとなった"動脈硬化"については、「加齢に伴って誰にも起こる状態であり、自分にとっても身近で重要な問題」と取り上げた。動脈硬化ということばは、いまや身近な問題として広く世間に認識されている一方で、その実情は十分に把握されていない。杉本氏は、「動脈硬化というのは病名なのか。エビデンスをもった治療薬というものがあるのか。大変単純ながら、このような疑問を持っている」と触れ、「皆さん方にもそういった疑問を頭のどこかに置いて聞いていただき、いい記事を書いていただければと思う」とメディアへの期待を述べた。
「高齢化社会を迎えて、いかに健康に老いるかというのは、まさに社会の大きな課題となっている」と、小川聡氏は座長挨拶を切り出し、今回、"動脈硬化"をテーマとして設定した背景について、「動脈硬化は確実にすべての人に起こるもの」と注意を喚起した。現在は、これをいかに早期に診断し、進行を阻止し、適切に治療していくかということが求められていると指摘し、今回迎えた講師2氏について「実績のある診断法から新しい診断法、また、その先にある治療について示唆に富んだお話を伺えることと思う」と紹介した。
【目次】
INDEX
- 第24回『心房細動』の診断・治療における最新トレンド―AIや家庭で取得したバイタルデータを活用した早期発見の可能性―
- 第23回 日常に潜む脳卒中の大きなリスク、『心房細動』対策のフロントライン―心不全の合併率も高い不整脈「心房細動」の最新知見―
- 第22回 高血圧パラドックスの解消に向けて―脳卒中や認知症、心不全パンデミックを防ぐために必要なこととは?―
- 第21回 健康を支える働き方改革「スローマンデー」の勧め―血圧と心拍数が教える健康的な仕事習慣―
- 第20回「家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫(おおはさま)研究」30周年記念~家庭血圧普及のこれまでとこれから。最新知見とともに~
- 第19回「足元のひえにご注意! 気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~
- 第18回「2015年問題と2025年問題のために」~循環器疾患の予防による健康寿命の延伸~
- 第17回「ネット時代の健康管理」~生活習慣病の遠隔管理から被災地支援まで~
- 第16回「突然死や寝たきりを防ぐために…」~最新の動脈硬化性疾患予防ガイドラインから~
- 第15回「眠りとは?睡眠と循環器疾患」?こわいのは睡眠時無呼吸だけではない?
- 第14回日本心臓財団メディアワークショップ「コール&プッシュ!プッシュ!プッシュ!」?一般人による救命救急の今?
- 第13回日本心臓財団メディアワークショップ「心房細動治療はこう変わる!」
- 第12回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」
- 第11回日本心臓財団メディアワークショップ「CKDと循環器疾患」
- 第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
- 第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
- 第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
- 第7回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい循環器医療機器の臨床導入をめぐる問題点」
- 第6回日本心臓財団メディアワークショップ「不整脈の薬物治療に未来はあるか」
- 第5回日本心臓財団メディアワークショップ「メタボリックシンドロームのリスク」
- 第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」
- 第3回「突然死救命への市民参加:AEDは革命を起こすか」
- 第2回 「心筋梗塞は予知できるか」
- 第1回 「アブラと動脈硬化をEBMから検証する」