第8回のメディアワークショップを開会するに当たって杉本恒明氏は、来場者や講師への感謝のことばを述べたのち、テーマとなった"動脈硬化"については、「加齢に伴って誰にも起こる状態であり、自分にとっても身近で重要な問題」と取り上げた。動脈硬化ということばは、いまや身近な問題として広く世間に認識されている一方で、その実情は十分に把握されていない。杉本氏は、「動脈硬化というのは病名なのか。エビデンスをもった...
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動脈硬化性病変の評価において画像検査と血管機能検査は不可欠な手段であり、近年では検査技術の進歩に伴い、より精度の高い情報が得られるようになっている。画像検査には、超音波を用いたエコー検査やX線を用いたCT検査などがあり、血圧脈波検査としては、脈波伝播速度(PWV)検査などがある。本講演で山科章氏は、画像検査の有用性とともに、血管機能の評価法として急速に普及してきたPWV検査の有用性について概説...
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心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の治療には、薬物治療のほか、外科的な冠動脈バイパス術(CABG)、内科的手技である冠動脈インターベンション(PCI)がある。PCIとは、血管内にカテーテルを挿入して病変部に到達させ、詰まった部位をバルーンなどで機械的に広げるという治療法だが、近年、このPCIがめざましい進歩を遂げ、冠動脈疾患治療の主役になってきた。代田浩之氏は、PCI初期のバルーン拡張術から最新...
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脚の血管の動脈硬化を診る ――医師による閉塞性動脈硬化症(ASO)のスクリーニングが重要 会場 脚の血管の動脈硬化を診る、ということについて日本や海外の現状を教えてください。 山科 アメリカにおいても、キャンペーンを行うなど熱心に取り組んでいる先生はいますが、日本と同様に注目度は低いとのことです。しかし、閉塞性動脈硬化症(ASO)の潜在患者数は予想以上に多いと想定されますので、やはり決し...
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INDEX
- 第23回 日常に潜む脳卒中の大きなリスク、『心房細動』対策のフロントライン―心不全の合併率も高い不整脈「心房細動」の最新知見―
- 第22回 高血圧パラドックスの解消に向けて―脳卒中や認知症、心不全パンデミックを防ぐために必要なこととは?―
- 第21回 健康を支える働き方改革「スローマンデー」の勧め―血圧と心拍数が教える健康的な仕事習慣―
- 第20回「家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫(おおはさま)研究」30周年記念~家庭血圧普及のこれまでとこれから。最新知見とともに~
- 第19回「足元のひえにご注意! 気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~
- 第18回「2015年問題と2025年問題のために」~循環器疾患の予防による健康寿命の延伸~
- 第17回「ネット時代の健康管理」~生活習慣病の遠隔管理から被災地支援まで~
- 第16回「突然死や寝たきりを防ぐために…」~最新の動脈硬化性疾患予防ガイドラインから~
- 第15回「眠りとは?睡眠と循環器疾患」?こわいのは睡眠時無呼吸だけではない?
- 第14回日本心臓財団メディアワークショップ「コール&プッシュ!プッシュ!プッシュ!」?一般人による救命救急の今?
- 第13回日本心臓財団メディアワークショップ「心房細動治療はこう変わる!」
- 第12回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」
- 第11回日本心臓財団メディアワークショップ「CKDと循環器疾患」
- 第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
- 第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
- 第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
- 第7回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい循環器医療機器の臨床導入をめぐる問題点」
- 第6回日本心臓財団メディアワークショップ「不整脈の薬物治療に未来はあるか」
- 第5回日本心臓財団メディアワークショップ「メタボリックシンドロームのリスク」
- 第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」
- 第3回「突然死救命への市民参加:AEDは革命を起こすか」
- 第2回 「心筋梗塞は予知できるか」
- 第1回 「アブラと動脈硬化をEBMから検証する」