2012年3月9日、日本心臓財団によるメディアワークショップが行われた。本年で15回目となる今回のテーマは「眠りとは?睡眠と循環器疾患~こわいのは睡眠時無呼吸だけではない~」。近年、睡眠障害は、不眠症、うつ病から循環器疾患、メタボリック・シンドロームなどまで、幅広い疾患に関わっていることが解明されつつある。開会にあたり挨拶に立った山口氏は、今回のテーマについて、「睡眠障害の治療は、睡眠の質やQ...
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社会生活の変化に伴い、日本人の睡眠時間は減少を続け、国際的にみても非常に短い傾向にあり、睡眠に関する問題を抱える人も多い。精神医学・中枢神経疾患と睡眠の関連を研究している井上氏は、睡眠のメカニズムと不眠症および不眠症と関連する疾患の病態について概説した。 睡眠のメカニズム 睡眠はレム睡眠と呼ばれる夢を生じる眠りと、ノンレム睡眠と呼ばれるそうでない眠りから成る。レム睡眠とノンレ...
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近年の疫学調査において、睡眠時間が循環器疾患の関連因子であるとする研究結果が蓄積されつつある。循環器内科医であり、睡眠障害の研究にも長年従事してきた塩見氏は、2000年に愛知医科大学病院において睡眠医療センターを設置。さらに、2008年には睡眠障害全般を専門に診る診療科として、わが国初の「睡眠科」(院内標榜)を開設し、診療を行っている。 講演で塩見氏は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を中心とし...
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CBTIが保険適応となるには、認知度の向上が不可欠 山口 講演をお聞きして、不眠症に対して認知行動療法(CBTI)が重要であることがよくわかりましたが、わが国ではCBTIがまだ保険適応とされていません。これは、なぜなのでしょうか。 井上 睡眠医学において、この10年の研究で得られたもっとも大きな成果は認知行動療法の有用性だと思います。うつ病では認知行動療法が保険適応となったのが...
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INDEX
- 第23回 日常に潜む脳卒中の大きなリスク、『心房細動』対策のフロントライン―心不全の合併率も高い不整脈「心房細動」の最新知見―
- 第22回 高血圧パラドックスの解消に向けて―脳卒中や認知症、心不全パンデミックを防ぐために必要なこととは?―
- 第21回 健康を支える働き方改革「スローマンデー」の勧め―血圧と心拍数が教える健康的な仕事習慣―
- 第20回「家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫(おおはさま)研究」30周年記念~家庭血圧普及のこれまでとこれから。最新知見とともに~
- 第19回「足元のひえにご注意! 気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~
- 第18回「2015年問題と2025年問題のために」~循環器疾患の予防による健康寿命の延伸~
- 第17回「ネット時代の健康管理」~生活習慣病の遠隔管理から被災地支援まで~
- 第16回「突然死や寝たきりを防ぐために…」~最新の動脈硬化性疾患予防ガイドラインから~
- 第15回「眠りとは?睡眠と循環器疾患」?こわいのは睡眠時無呼吸だけではない?
- 第14回日本心臓財団メディアワークショップ「コール&プッシュ!プッシュ!プッシュ!」?一般人による救命救急の今?
- 第13回日本心臓財団メディアワークショップ「心房細動治療はこう変わる!」
- 第12回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」
- 第11回日本心臓財団メディアワークショップ「CKDと循環器疾患」
- 第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
- 第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
- 第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
- 第7回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい循環器医療機器の臨床導入をめぐる問題点」
- 第6回日本心臓財団メディアワークショップ「不整脈の薬物治療に未来はあるか」
- 第5回日本心臓財団メディアワークショップ「メタボリックシンドロームのリスク」
- 第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」
- 第3回「突然死救命への市民参加:AEDは革命を起こすか」
- 第2回 「心筋梗塞は予知できるか」
- 第1回 「アブラと動脈硬化をEBMから検証する」