講演に先立ち杉本氏は、最近、医学会や医学団体による一般向けの啓発活動が盛んになっている現状にふれ、「医学会で注目されている話題を一般にもわかりやすく紹介し、健康への関心を高めることは重要」と指摘した。日本心臓財団は早くからこれを実践しており、本ワークショップなどを通じて最新の話題を一般向けに情報提供している。その一環として、今回は慢性腎臓病(CKD)がテーマに選ばれた。杉本氏は、CKDの認知度を高...
続きを読む
2007年、日本腎臓学会により慢性腎臓病(CKD)に関する診療ガイドが発表された。CKDは、近年、注目されている疾患だが、一般にはまだあまり知られていない。今回、槇野氏は、その定義を紹介するとともにわが国のCKD患者の現状と今後の診療連携の重要性について解説した。 CKDが注目される背景 CKDというキーワードが国内外で注目を集めている。その背景のひとつに、世界的な透析患者...
続きを読む
最近のさまざまな研究結果から、心筋梗塞などの心血管病の発症を防ぐには、慢性腎臓病(CKD)対策が大きな鍵を握っていることがわかってきた。筒井氏は、心血管リスクとしてのCKDの重要性を訴え、具体的なCKD予防策、治療法について解説した。 血管障害を引き起こす危険因子 「人は血管とともに老いる」といわれるとおり、血管障害はさまざまな臓器―特に脳・心・腎―に悪影響を及ぼすことが知...
続きを読む
慢性糸球体腎炎による腎不全減少と健康診断の関係 会場:透析患者は毎年1万人ずつ増えています。かつて、その原因疾患で最も多かったのは慢性糸球体腎炎だったということですが、近年、その割合が減少傾向にあるのはなぜでしょうか。 槇野:慢性糸球体腎炎は、自覚症状がないだけに健康診断で見つけるしかありません。わが国は、世界に先駆けて学校や職場で健康診断を行うようになったおかげで、慢性糸球体腎炎を早期発...
続きを読む
INDEX
- 第23回 日常に潜む脳卒中の大きなリスク、『心房細動』対策のフロントライン―心不全の合併率も高い不整脈「心房細動」の最新知見―
- 第22回 高血圧パラドックスの解消に向けて―脳卒中や認知症、心不全パンデミックを防ぐために必要なこととは?―
- 第21回 健康を支える働き方改革「スローマンデー」の勧め―血圧と心拍数が教える健康的な仕事習慣―
- 第20回「家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫(おおはさま)研究」30周年記念~家庭血圧普及のこれまでとこれから。最新知見とともに~
- 第19回「足元のひえにご注意! 気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~
- 第18回「2015年問題と2025年問題のために」~循環器疾患の予防による健康寿命の延伸~
- 第17回「ネット時代の健康管理」~生活習慣病の遠隔管理から被災地支援まで~
- 第16回「突然死や寝たきりを防ぐために…」~最新の動脈硬化性疾患予防ガイドラインから~
- 第15回「眠りとは?睡眠と循環器疾患」?こわいのは睡眠時無呼吸だけではない?
- 第14回日本心臓財団メディアワークショップ「コール&プッシュ!プッシュ!プッシュ!」?一般人による救命救急の今?
- 第13回日本心臓財団メディアワークショップ「心房細動治療はこう変わる!」
- 第12回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」
- 第11回日本心臓財団メディアワークショップ「CKDと循環器疾患」
- 第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
- 第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
- 第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
- 第7回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい循環器医療機器の臨床導入をめぐる問題点」
- 第6回日本心臓財団メディアワークショップ「不整脈の薬物治療に未来はあるか」
- 第5回日本心臓財団メディアワークショップ「メタボリックシンドロームのリスク」
- 第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」
- 第3回「突然死救命への市民参加:AEDは革命を起こすか」
- 第2回 「心筋梗塞は予知できるか」
- 第1回 「アブラと動脈硬化をEBMから検証する」