実際に他の病院でセカンドオピニオンを受けたい方へのアドバイス
当財団のセカンドオピニオン(無料医療相談)は、患者さんおよびご家族からのメールにより専門医が判断してアドバイスするものであり、直接診断をしているものではありません。より詳細なセカンドオピニオンを求めたい場合には、主治医に紹介状を書いてもらい、他の病院を受診する必要があります。その方法、注意などを記しましたので、参考にしてください。
1.セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは、自分の診療内容あるいは診療方針について、担当医以外の第三者的な立場の医師に意見を求めることをいいます。これによって、自分の受けている診療が診断の上で、あるいは治療の上で、適切であるのかどうかを判断するのです。
2.セカンドオピニオンを考える前に
セカンドオピニオンを求めるに当たっては、自分は担当医の説明を十分に受けているのか、自分は担当医の説明を十分に理解しているのか、改めて思い返してみてください。実は、セカンドオピニオンの相談をしばしば依頼されて、思うのは、担当医の説明不足と患者さんの理解不足が如何に大きいかということでした。
ただし、患者さんとしては、思い返してみても、確かめようがないかもしれません。セカンドオピニオンには担当医の説明を補足し、あるいは患者さんの理解を助けるという要素もあるといったほうがよいのかもしれません。
3.担当医に対する申し入れ
セカンドオピニオンを求めるには、まず、担当医から紹介状(診療情報提供書)をいただかなければなりません。昨今、セカンドオピニオンを求めることは広く、日常的に行われるようになってきていますので、紹介状をいただくのには問題がないであろうと思います。ただ、担当医の立場からすると、紹介状を作成するのは、大変な手間であり、それに加えて、自分の説明に何か不足していることがあったのだろうか、とか、これだけ説明したのに、患者さんがわかってくれていなかったのではないか、といった、いささかやりきれない気持ちがあることはあろうと思います。患者さんとしては、当然の権利として紹介状を求めるのではなくて、自分としても診療内容をよく理解し、納得しておきたいからであることを、誠意をもって申し添えることが望ましいと思います。
紹介状には必要に応じて、検査資料を添えることになると思います。場合によっては、画像診断の膨大な資料コピーが必要なこともあります。これらのことも担当医に大変な負担をかけることを知っておいてください。
4.セカンドオピニオンをどこに依頼するか
セカンドオピニオンを求めるのは、自分にとって、よりよい担当医を探すためではありません。現在、受けている診療が適切であるのか、否かについて、意見を求めるためです。東京都医療連携推進協議会では、セカンドオピニオンを行う医師は治療行為を行わないこと、原則として、患者は担当医のもとに戻ってもらうこと、としています。セカンドオピニオンのために専門医を求めるならば、担当医にお願いして、相談に乗ってくれる医師を紹介してもらうというのも一つです。しかし、一般的には、その分野の専門医を相談相手とすることが望ましいとはいっても、セカンドオピニオンをしばしば受けてきた経験からいうと、相談相手は必ずしもその分野の専門医である必要はありません。その分野を含む広い領域に一応の知識のある医師であれば、担当医の紹介状にもとづいて、患者さんと一緒に考えてくれ、納得いく診療を選択してもらえると思います。
5.セカンドオピニオンの料金
セカンドオピニオンの料金は、紹介状を出す側と、これを受ける側とで請求されます。紹介状を出す側では、セカンドオピニオンを受けるための紹介状は保険診療の対象となっており、必要な検査結果や画像情報も含めた紹介状の料金として5000円に対する保険負担分がかかります。紹介状を受ける側、つまりセカンドオピニオンを依頼される側については、保険外診療として、例えば「1時間30000円」というように医療機関ごとに時間、料金の設定がされています。また専用の申込用紙があったり、予約にあたって先に紹介状を預けるなど、申し込みの方法も医療機関によって異なりますので、各病院の予約窓口などに問い合わせることをお勧めします。
6.セカンドオピニオンの結果
セカンドオピニオンの結果が、現在の担当医の診療内容あるいは方針と同じであったときには、安心して、担当医のもとに戻ることができます。しかし、結果が異なったときには問題になります。セカンドオピニオンの相談相手が、自分のところでの診療を勧めたり、ほかを紹介するという場合もあろうかと思います。しかし、これらの場合には、もとの担当医を今度はセカンドオピニオンの相談相手として、もう一度、相談してみるのがよいと思います。担当医にこれまでとは異なるセカンドオピニオンにもとづいた診療をお願いするか、ほかに紹介してもらうか、ということになります。十分に相談して、納得して、その後の診療を続けることをお勧めします。