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編集長から

「心臓」から若き読者へ:リングに上がろう!

山口 徹(編集委員長,国家公務員共済組合連合会虎の門病院 院長)

編集長から

 「心臓」は伝統ある循環器専門雑誌として多くの方々に支えられてここまで歩んできた.本年(37巻1号)から完全に日本心臓財団発行の雑誌(編集・制作:㈱協和企画)となった.昭和44年にスタートした「心臓」は,“アゴラ的広場”となる自由な討議の場を提供する同人誌的な邦文専門誌として,多くの先輩の手弁当的努力により評価を高めていった.その後2度にわたり出版社の倒産という廃刊の危機に見舞われたが,その都度先輩方の献身的努力でこの危機を乗り越え,今日までに準学会誌的な投稿誌として特異な地位を築きあげた.多くの編集委員の努力と読者の愛情に支えられて「心臓」の今日がある.

 学術誌は一旦発刊されれば,これを存続させる義務がある.廃刊されれば既発表論文の価値にも影響する.本誌が誕生した当時は,循環器関連の和文誌といえば日本循環器学会誌以外にはなかったが,日本循環器学会誌が英文誌となり,関連領域の学会誌も多数作られ,循環器関連の商業誌も数多く発行されるようになった.また学術業績もインパクトファクター,したがって英語論文が重視されるようになり,本誌の投稿内容も症例報告に大きく傾いてきた.このような現況下で「心臓」を再度活性化すべく,新しい編集メンバーで新体制が組まれ,私も日本心臓財団の理事として編集委員長をお引き受けすることとなった.財団と日本循環器学会との長年の密接な関係に配慮いただいて,北畠顕日本循環器学会理事長からは「心臓」への協力を各支部へ要請いただいた.強力な援護に感謝の意を表したい.

 さて,新生「心臓」の進むべき道はいずれであろうか.英文あるいは和文の学会誌がひしめく状況下で,投稿誌として貢献できる余地があるのであろうか.多くの皆様からご助言をいただいた.曰く,多くの発表がそのまま埋もれている,論文を厳しく査読してレベルを高めようとする学会は多いが,発表を一人前の原著論文に育てることに手を差しのべてくれる学会誌は少ない,などなど.独立した投稿誌の存在価値がまだ十分あることを実感した.昔,何かの機会に黒川清先生(現・日本学術会議会長)から言われたことを思い出した.「論文にしなければダメだ.発表はshadow boxingだ.shadow boxingがどんなに上手くなってもboxerではない.リングに上がって初めて一人前のboxerだ.論文にして初めて一人前なのだ.」そんな内容だったと思う.

 優れた研究を発表のみに埋もれさせることなく,すばらしい論文に磨き上げてリングにあげる,これが新しい編集委員やEditorial Board,Advisory Boardの担うべき役割だと考えている.優れた発表へ投稿を呼びかけ,投稿された論文に手を貸し,リングへ上がるのを後押ししたい.今や英文論文をと思われている上司の先生方も,「心臓」へ投稿した経験をお持ちなのではあるまいか.若い臨床医や研究者へ投稿を呼びかけていただきたい.本誌に論文が掲載されたときの喜びを知り,世界の一流誌へ英語論文を投稿する若い人たちが増えれば,私たちの喜びである.

 またHEART’s Selectionを初めとする新しい企画も読者のお役に立つと思う.研究会の発表誌としてもご利用いただきたい.編集委員会は,「心臓」の内容を時代の要請に沿ったものとすべく今後も努力を続ける所存である.読者の一層のご支援をいただければ幸いである.

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