12歳の心室固有調律
12歳の息子の事で相談いたします。
小学1年の集団検診の再検査で、完全左脚ブロックと診断されました。さらに、小児循環器科のある病院で精密検査を受けたところ、心室固有調律で脈数は60回/分と診断され、学校生活指導管理表はEで運動制限は特になく、年1回の経過観察とのことでした。
小学4年時、冷水負荷心電図検査を受けたところ、心室頻拍が出ていることがわかり、プール遊びは良いけれど競泳や特訓のような水泳は禁止になりました。以後、学校生活指導管理表はDとなりました。
最近は、普段は何ともないのですが、月に数回は悪心や胸痛を訴えます。3ヶ月ほど前に悪心を訴えた時は脈拍が42回/分にまで落ちていましたが、どちらかというと100回/分超えの時の方が多いです。
今まで診ていただいた先生方は皆、P波がなかったり、QRSと重なって判断しにくい。QRSが幅広で割れている。脈がなくなる症状。洞機能が悪いので心室の下のほうで補っている。とおっしゃいます。
投薬など治療はしていませんが、このままで良いのでしょうか。将来的に治っていくのか、ペースメーカをつけなければならなくなってしまうのか不安です。ここ半年は疲れやすいように思います。
回答
心室固有調律は子供ではあまりみられないのですが、私どもの経験した症例では全員で、運動すると正常な洞調律に戻っており、経過観察では症状もなく、元気に日常生活を過ごしています。従って、心室固有調律のみで、このような症状がでることは考えがたいと思われます。心室固有調律とは別の種類の不整脈が出ている可能性や、不整脈以外の別の病気がある可能性などをさらに検討する必要があるのではないかと考えます。例えば、運動負荷心電図検査に際しては洞性心拍数は最高どれだけまで増加するのか、症状があるときの心電図は果たしてどうなのかなどということが気になります。このような症状があるときに疑われる不整脈としては、心室頻拍、高度の徐脈性不整脈などがあり、あるいは神経因性失神という場合も考えなければなりません。
いままでに施行した検査の内容を再検討した上で、それにもとづいて、今後さらにどのように調べていくかを考えなければなりません。担当医はよくわかっているように思われますが、この回答を持参されてご相談なさっては如何でしょうか。