疾患別解説

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異所性自動能の心房頻拍

19歳 女性
2009年3月30日

先天性の心疾患があり、常に130/分以上の頻脈です。
昨年末に急変し、救急車で運ばれたところ、房室ブロックを伴った心房頻拍であると診断されました。そして何度も発作を起こしていることから、アブレーションを奨められ、年明けに手術を受けましたが、結果は問題となった不整脈は誘発されず、またリエントリー回路やケトン束などもないとのことで、異常自動能の不整脈であると診断されました。
そこで、
1)異常自動能の不整脈とはどういったものでしょうか。
2)常に脈拍が速く原因もわからないため、洞調節機能障害と診断されましたが、ネットでいくら調べても(洞調節機能障害)というものはヒットされません。洞調節機能障害とは、いったいどういった病態なのでしょうか。
3)種々の不整脈があり、主に頻脈だったのですが、2年ほど前から徐脈にもなりだしてきました。しかし、圧倒的に頻脈発作が多いので、洞不全とは診断されておりませんが、徐脈頻脈症候群とは関係があるのでしょうか。

回答

1)心臓の刺激伝導系の組織はすべて、自動能をもっています。この自動能が異常に亢進したために起こる不整脈を異常自動能による不整脈といいます。正常の場合には、心臓は洞結節の自動能に支配されて興奮しており、これを正常自動能といいます。
2)洞結節の自動能のリズムは身体の需要によって、調節されています。この調節の機序に変調があるとき、洞調節機能障害といっています。洞結節に存在する交感神経受容体が過密な状態となると、わずかな交感神経緊張であっても、頻脈となるといったことが知られています。
3)洞不全とは、洞結節の細胞が変性あるいは欠損して、洞結節の機能が低下した状態です。徐脈頻脈症候群は、このような洞不全状態に心房細動などの不整脈を合併した状態をいいます。

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