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循環器病治療の最新情報2016

Part Ⅱ 心不全
呼吸器デバイスによる心不全改善効果

講演内容

 講演の冒頭で葛西氏は、現在、心不全に対する非侵襲的陽圧呼吸療法(以下、陽圧呼吸療法)で用いられている呼吸器デバイスの一覧を示したが、これらはCPAP(持続気道陽圧)、Bi-level PAP(2層式気道陽圧)、BiPAP with AVAPS/iVAPS(換気量保障機能付 Bi-level PAP)、ASV(サーボ制御圧感知型人工呼吸器)である(図1)。いずれもマスクを装着して行う治療法である。

図1 心不全で用いられる呼吸器デバイス(非侵襲的陽圧呼吸療法)

図1 心不全で用いられる呼吸器デバイス(非侵襲的陽圧呼吸療法)
PS: pressure support(換気圧補助)
IPAP: inspiratory positive airway pressure(吸気陽圧)
EPAP: expiratory positive airway pressure(呼気陽圧),

陽圧呼吸療法の呼吸器系と血行動態への作用

 これらの呼吸器デバイスは呼吸器系に陽圧をかけるものだが、こうした陽圧呼吸療法の呼吸器系への作用としては、上気道の閉塞防止、虚脱細胞の再拡張(換気改善)、肺容積の拡大(機能的残気量増加)、肺毛細管からの水分漏出軽減がある。その結果、上気道確保・睡眠時無呼吸の解除、酸素化能改善、呼吸仕事量の軽減などが得られるという(今中秀光.集中治療 1999)。

 次に同氏は、良く知られている「Frank-Starling曲線」を提示し、心不全における前負荷と後負荷の関係について説明した(図2)。

図2 心不全におけるFrank-Starling曲線

図2 心不全におけるFrank-Starling曲線

 図2の横軸は前負荷(心臓に戻ってくる静脈還流量)を示しており、心室拡張期容積に相当する。縦軸は心拍出量を示している。心臓は静脈還流量に応じて心筋収縮力を調整し心拍出量を変化させている。心筋収縮力が低下すると、正常と同じ心室拡張期容積でも心拍出量は低下する。こういう状態になると、代償的に心拡大が生じて心拍出量を保とうとする。
 同氏によれば、心不全では心拍出量を保つために前負荷を増大させようとするが(前負荷依存状態)、心不全患者の多くは既に前負荷予備能の限界にある。そこで後負荷(心拍出の際に心臓にかかる抵抗)を変化させて心拍出量を調整しようとするため後負荷依存状態になる。だが後負荷を軽減させて心拍出量を増大させようとしても、血管抵抗が高かったり心筋の収縮力が落ちている時は後負荷が強いため、心拍出量は低下する。

 以上の「Frank-Starling曲線」を踏まえて葛西氏は、陽圧呼吸療法の血行動態への影響について解説した。それによると、陽圧呼吸療法により胸腔内圧が上昇すると、心臓に戻ってくる静脈還流量が減少して右室前負荷が軽減するが、Frank-Starling曲線の下降脚にある状態(図2▲)にある心不全なら、こうした前負荷軽減により心拍出量が増加する。ただし、「前負荷依存状態では、陽圧呼吸療法による前負荷軽減によって心拍出量低下が起こりうるので要注意」だという。

心不全の病期による陽圧呼吸療法の目的の違い

 続いて同氏は、心不全の病期による陽圧呼吸療法の目的の違いについて言及した(図3)。

図3 心不全の病期による陽圧呼吸療法の目的の違い

図3 心不全の病期による陽圧呼吸療法の目的の違い
Kato T, Suda S, Kasai T. World J Cardiol 2014;6:1175-1191より引用改変

 急性期では酸素化、心負荷軽減(いずれもCPAP、Bi-level PAPなどによる)が陽圧呼吸療法の目的となる(図3左の楕円で囲った部分)。急性非代償性心不全(ADHF)において酸素療法群と陽圧呼吸療法群(CPAP またはBi-level PAP)を比較した3CPO無作為化試験(1,069例)では、7日以内の死亡率(主要評価項目)、30日以内の死亡率(二次評価項目)には両群間で有意差がなかったが、二次評価項目である1時間後の呼吸困難、脈拍、動脈血ガスなどは陽圧呼吸療法群の方で有意に改善された。主要・二次評価項目ともに、陽圧呼吸療法のタイプ(CPAPかBi-level PAPか)による差はなかった(Gray A et al. N Engl J Med 2008)。「ADHFに対する最大規模の3CPO試験で死亡率には差がなかったが、短期的には症状改善のため取り敢えず圧をかけることが良いのではないか」と葛西氏。
 各国のガイドラインでも、ADHFに対する陽圧呼吸療法は高い適応基準クラス分類とエビデンスレベルで推奨されており、我が国のガイドライン(JCS 2011年改訂版)でもクラスⅠ、レベルAで酸素吸入無効例に推奨されている。

 ADHFに対する陽圧呼吸療法のうち、CPAP、Bi-level PAPあるいはASVの使い分けはどう考えると良いのか╶╴。この点を同氏は次のようにまとめた。酸素化やPEEP(呼気終末陽圧:呼気終末に大気圧以上の圧力をかけることで、肺胞虚脱を防ぎ肺酸素化を改善する呼吸管理法)を期待するならCPAPでも十分。換気不全があればBi-level PAPの出番。呼吸運動や換気の補助が問題ならBi-level PAP。「これらは実際、日常臨床でも良く行われている」(葛西氏)。
一方、ADHFに対してASVを使用する意義は不明であるが、呼吸がsynchroしやすい、換気量を一定に保つ、小型でhandyである、などのメリットが考えられる。同氏らの研究によると、初療室で入院までの間、酸素吸入だけよりASV併用の方が交感神経活性低下が期待できるという(Nakano S et al. Eur Heart J Acute Cardiovasc Care 2015)。

睡眠時無呼吸(OSAとCSA)をめぐって

 心不全の回復期から慢性期では様々な薬剤が試みられるが、それでも呼吸異常が残る場合は呼吸器デバイスが使用される。こうした呼吸異常として頻度が高いのが睡眠時無呼吸(睡眠呼吸障害)であり(図3の一番右の矢印)、慢性心不全の50%以上に合併する。睡眠時無呼吸には上気道閉塞に起因する閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)と呼吸中枢の乱れに起因する中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea: CSA)があり、各々約半数ずつを占める。OSAは心不全の発症・増悪に寄与し、CSAは心不全状態になることで認められるものと考えられている。

 睡眠呼吸障害は、無呼吸低呼吸指数(apnea hyponea index: AHI;睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の総数)を使って評価されており、AHI≧5/時が睡眠呼吸障害とされ、5/時≦AHI<15/時が軽症、15/時≦AHI<30/時が中等症、30/時≦AHIが重症。

 CSAの出現機序について葛西氏は、心不全→左室拡張末期圧上昇(肺うっ血)→過換気→CO2分圧低下→CSA発生という流れを紹介した。覚醒時では過換気によりCO2分圧低下しても無呼吸閾値は越えない定常レベルに留まるが、一旦、睡眠に入るとCO2の無呼吸閾値が上昇し同じ定常レベルであっても無呼吸が生じる。心不全では換気応答の亢進があり、過換気と無呼吸といった両極端な呼吸様式を繰り返すチェーンストークス呼吸が出現しやすくなる。また、心拍出量低下→循環時間延長→血液ガス変化の情報伝達の遅延→換気のovershoot(呼吸波形が基線より上に突出)/undershoot呼吸(波形が基線より下に突出)→CSA発生、という流れもあるという(Kasai T et al. J Cardiol 2012)。

 OSAとCSAは心不全患者にどのような影響を与えるのか─╴。葛西氏によれば、OSAでは、低酸素血症、肺が広がらない、心拍出量の低下などにより交感神経活性が亢進する。閉塞時に生じる胸腔内圧陰圧(息を吸おうとしても胸腔内に空気が入ってこないため)の増悪なども生じ、血行動態に悪影響を与えることになる。一方、CSAも低酸素血症、肺が広がらない、睡眠からの覚醒などにより交感神経活性が亢進する。OSAと違って、CSAでは気道閉塞時の胸腔内圧陰圧がないが、過呼吸時に大きく揺らぐ胸腔内圧に伴う静脈還流量の変化は、血行動態にも悪影響を与える(Yumino D et al. Am J Respir Crit Care Med 2013)。
「OSA、CSAともに、夜間このような状態が度々生じれば、心不全患者においては余りよろしくないことが認識できる」(葛西氏)。

 AHIを指標として長期予後(生存率)を検討した報告では、OSA症例(150例)においてAHI≧15/時群ではAHI<15/時群より有意に生存率が低下する(Wang H et al. J Am Coll Cardiol 2007)、CSA症例(88例)においてAHI≧5/時群ではAHI<5/時群より有意に生存率が低下する(Javaheri S et al. J Am Coll Cardiol 2007)などの報告がある。

心不全患者における睡眠時無呼吸(OSAとCSA)に対する治療

 心不全患者におけるOSA(HF-OSA)に対してもCPAPが良く使われているが、HF-OSA症例(24例)を対象とした無作為化試験において、CPAP治療群では対照群と比べて、1カ月のOSA回数が有意に減少し、左室駆出率(LVEF)も有意に増加したとの報告がある(Kaneko Y et al. N Engl J Med 2003)。しかし、長期予後に関しては、観察研究で対照群と比べてCPAP治療群で死亡率が低い傾向を認めた(前出のWang H et al. J Am Coll Cardio2007)、死亡率または再入院が有意に低かった(Kasai T et al. Chest 2008)、などの報告(対象は各々51例、88例)があるものの、HF-OSAに対するCPAP治療の予後を検証した無作為化試験はないという。HF-OSAの病態生理を踏まえた治療に関しては葛西氏らによる総説に詳しく述べられている(Kasai T et al. J Am Coll Cardiol 2011)。

 続いて同氏は、心不全患者におけるCSA(HF-CSA)に対する治療について述べた。HF-CSAではまず、心不全治療そのものの見直し・強化が必要となる。それでもCSAが残る場合は、酸素療法、陽圧呼吸療法(CPAP、Bi-level PAP、ASV)を実施する。最近では、新しい呼吸器デバイスである横隔神経刺激療法(経静脈的にリード線を挿入して横隔神経を電気刺激し無呼吸時に強制的に呼吸させる)が注目されているが、CSA改善が報告されているものの、QOL改善・主観的評価の改善・心機能・長期予後などへの影響は不明だという。

 同氏によれば、HF-CSAに対する陽圧呼吸療法としてCPAPが繁用されているが、CPAPのHF-CSA抑制機序として次の点を挙げている。肺うっ血の是正による過換気の抑制とCO2レベル上昇、胸腔内圧上昇に伴う心臓の負荷軽減による心拍出量増大、呼気制限による CO2レベル上昇/胸郭を広げることによる過換気の抑制。
このような機序を介して、「換気を促すわけではなく喉を開くだけのCPAP」(葛西氏)により、約半数のHF-CSA患者でCSAが抑制されているという。

 HF-CSA(29例)を対象とした無作為化試験において、CPAP治療群では対照群より3カ月後のLVEFが有意に改善したとの報告がある(Naughton MT et al. Am J Respir Crit Care Med 1995)。HF-CSAの長期予後に関してはCANPAP試験(258例、平均追跡期間2年)において、CPAP群(至適薬物治療+家庭にて夜間少なくても6時間のCPAPを指示)と対照群(至適薬物治療)の間に主要評価項目である心移植回避生存率に有意差はなかったが(Bradley TD et al. N Engl J Med 2005)、post-hoc解析では、CPAPにより睡眠時無呼吸が抑制された群(AHI<15/時)では、対照群よりも有意に心移植回避生存率が優れていた(Arzt M et al. Circulation 2007)。このpost-hoc解析を踏まえて葛西氏は、「CPAPで睡眠時無呼吸を抑制できなかった症例を、しっかり抑制できる症例にいかに変えていくかが治療のポイントになる」と指摘する。

 ASVはチェーンストークス呼吸に対する特異的な治療デバイスとして登場したが、CPAPで睡眠時無呼吸が残存するHF-CSA症例に対しても使われている。ASVは、単一レベルの圧を与えるCPAPと違って、呼吸ごとに吸気圧レベルが変動し(機械による自動調節)、呼吸に合わせたpressure supportを与えることができる。HF-CSAに対するASVの効果を検討した短期無作為化試験では、LVEFなどが有意に改善することが、世界各地から報告された。

 しかし、 ヨーロッパを中心とした91施設が参加したASVの国際多施設無作為化試験SERVE-HF(1,325例、LVEF≦45%、AHI≧15/時のCSA優位、観察期間2.6年)では、主要評価項目である総死亡+救命が必要な心血管介入+心不全増悪による予定外の入院はASV群(ガイドラインに基づく薬物治療+一晩に少なくとも5時間、週7日間のASV使用を推奨、目標値は試験開始14日以内のAHI<10/時)と対照群(ガイドラインに基づく薬物治療)の間で有意差はなく、副次評価項目である総死亡と心血管死はASV群で各々有意に増加した(Cowie M et al. N Engl J Med 2015)。その続報で、心不全増悪入院のない心臓死がASV群で有意に増加することも報告された(Eulenburg C et al. Lancet Respir Med 2016)。

 2015年5月13日、論文発表に先立ってSERVE-HFのプレス発表(中間報告)がなされ、その発表を受けて日本循環器学会と日本心不全学会は同年6月、「心不全症例におけるASV適正使用に関するステートメント(第1報)」を出した。そこでは、CSA優位の慢性HFrEF(左室駆出率の低下した心不全)へのCSA治療目的の新規導入は控える、うっ血のコントロール目的で導入されている不安定な患者では継続しても良い、安定していると判断できる導入後の患者では(特にCSA優位のHFrEFの場合)なるべく離脱する、ASV使用中の患者にインフォームド・コンセントを得る、などが記載されていた ※1

 葛西氏によれば、国際規模でASVの多施設無作為化試験ADVENT-HFが進行中だという。同試験の対象は、OSAないしCSAを有する慢性心不全患者(LVEF≦45%、AHI>15/時、860例)で、日本も参加している。主要評価項目は総死亡+心血管疾患関連入院。「この結果がわかるまではまだまだ時間を要する。現時点ではHFrEFのCSAではCPAPを考慮する。CPAPでAHI<15/時にならない場合は、陽圧呼吸療法なしか酸素吸入とする」というのが同氏の見解である。

減負荷・うっ血治療としての陽圧呼吸療法

 最後に葛西氏は、心不全の回復期から慢性期に移行する間に実施される心負荷軽減のための陽圧呼吸療法について紹介した(図3左から二番目の矢印の頭付近から「?」を含む部分)。これは、最近、我が国でも多く使われ始めているという。その患者にうっ血があり、後負荷依存状態でFrank-Staring曲線の下降脚に入っていれば、前述の急性期だけでなく慢性期でも前負荷軽減、さらには後負荷軽減による心拍出量増大が期待できる。こうした発想から陽圧呼吸療法が行われることになる。

 さらに、うっ血による機能的な僧帽弁逆流(MR)が、陽圧呼吸療法(CPAP、Bi-level PAP)の急性効果で減少するとの報告があり(Bellone A et al. Intensive Care Med 2002)、注目されるという。この機序として、うっ血に対する陽圧呼吸療法がもたらす前負荷軽減による左室拡張末期容積の減少、後負荷軽減による心拍出量(特に前方心拍出量)の増大、などを同氏は指摘し、自験例も紹介した。

 しかし、睡眠呼吸障害のないうっ血性心不全症例に対する夜間CPAPの予後改善効果は、小規模の無作為化試験の層別解析では認められていない(Sinn DD et al. Circulation 2000)。「さらなるデータの蓄積、特に無作為化試験や大規模な観察研究の結果が求められている」(葛西氏)。

 SERVE-HFに先行する形で我が国において、慢性心不全患者(LVEF<40%、NYHA分類≧Ⅱ度)を対象としたSAVIOR-C試験(追跡期間24週)が実施された。葛西氏によれば同試験は、「睡眠時無呼吸の有無を問わず、ASVは慢性心不全のLVEF改善に有効か?」という問いを検証する目的で組まれた多施設無作為化試験(39施設、213例)である。その成績では、ASV群(ガイドラインに指示された薬物治療+在宅ASV)と対照群(ガイドラインに指示された薬物治療)の間で主要評価項目であるLVEFの改善に有意差はなかった。しかし二次評価項目であるCCR(臨床複合反応:NYHA分類+心不全増悪)はASV群で有意に改善され、心イベントもASV群で少ない傾向が認められた。なおAHI<15/時とAHI≧15/時で層別化した解析では、ASV治療による心機能改善効果の促進が認められなかったことから著者らは論文において、「ASV治療による血行動態への効果は睡眠呼吸障害の重症度には影響されない」と考察している(Momomura S et al.Circ J 2015)。 ※2
葛西氏は「心不全の減負荷を目的としたASVに爆発的効果はないと思われるが、少なくとも悪さはせず、自覚症状などの改善が期待できる」とうっ血治療としてのASVを位置付けている。

まとめ

 葛西氏は講演を次のようにまとめた。

表 まとめ
呼吸器デバイスによる心不全改善効果

  • 心不全の陽圧呼吸療法はさまざまな状態の心不全そのものの治療になりうる
    (心拍出量が前負荷依存状態の場合は要注意)
急性期
  • 陽圧呼吸療法(CPAP・bi-level PAP)が急性期治療として確立している
  • ASVの効果は明らかではない
慢性期
  • 合併するOSAへのCPAPで心機能の改善が期待できる
  • 合併するCSAへの陽圧呼吸療法も心機能の改善が期待できる
    • CPAPで約半数のCSAが抑制され予後も良好なので、まずはCPAPを考慮
    • ASVは最近の報告を考慮しCSA優位の左室収縮不全では慎重に
    • 合併するCSA(and/or OSA)へのASVに関しては新たな大規模RCTが進行中
  • 減負荷・うっ血治療としてのASVは症状改善・短期イベントには多少効果的

 討論の場でSERVE-HF試験の成績が期待に反して良くなかった理由について葛西氏は、「ASVの使用状況が余り良くない症例がそのままASV群として評価された試験デザインが、結果に影響した1つの大きな因子であると考えられる。また、慢性期で安定している睡眠呼吸障害例が含まれていれば、こうした症例ではASVの効果が最大限に発揮されなかったのかもしれない。海外の臨床試験では我が国とは違って患者のフォローも数カ月に1度であり、その間にASV機器に不都合が生じた可能性も否定できない」とした。またASVに関して、「簡便でもあることから、ここ数年は睡眠呼吸障害の有無や重症度を問わず広く使われるようになった。臨床現場でAVSの有用性を実感できる症例も多いが、新たな成績を踏まえ、今後どういった症例に使うべきかを絞り込んでいく必要がある」と述べた。

  • ※1:2016年10月に同ステートメント(第2報)が出ており、第1報と同様に日本循環器学会と日本心不全学会のホームページで閲覧できる。
  • ※2:2016年度の診療報酬改訂ではCSA合併心不全患者におけるASVの保険償還が認められ、重症心不全の治療機器としても条件付で承認されている。

Part Ⅰ 虚血性心疾患

Part Ⅱ 心不全

Part Ⅲ 肺高血圧症

Part Ⅳ 不整脈

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