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循環器病治療の最新情報2016

Part Ⅰ 虚血性心疾患
その3「新しい冠動脈デバイスとその課題」

講演内容

 講演の冒頭で中川氏は、「この1年間で、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)施行医の間で話題になったことを中心に話したい」とした。

冠血行再建における適応判断(FFRCTの登場)

 同氏が最初に取り上げたのが、PCIをどういった評価法に基づいて適切症例に実施するかという適応判断についてである。特に米国では、PCI後に保険償還を受ける際に、適切症例であったかどうかが問われることが多いという。
 適切症例を決めるために従来から実施されている冠動脈造影(CAG)、冠動脈CT、血管内超音波(IVUS)などは、冠動脈狭窄を解剖学的に判断し、画像から「見た目で狭い」ことを視覚的に判断する方法である。

一方、虚血の有無を機能的に評価して血行再建の是非を決定する方法として注目されているのが、心筋血流予備量比(Fractional Flow Reserve:FFR)である。FFRは冠動脈狭窄の遠位部圧(Pd)/近位部圧(Pa)から求める。圧センサー付きガイドワイヤー(Pressure Wire)を冠動脈遠位部まで挿入し、末梢の微小循環系を拡張させるためにATP(アデノシン三リン酸ナトリウム)などを投与し最大流量中のFFRを測定する。正常冠動脈のFFRは1.0だが、狭窄があると低下し、有意狭窄があるとさらに低下する(図1)。
 しかし、「遠位部の心筋が完全に心筋梗塞を起こしていて酸素消費がほとんどなければ狭窄が高度であってもFFRは余り低下しないが、バイアビリティ(生存能)があって沢山の酸素を消費していればFFRは低下する。このようにFFRでは、PCI適切症例を機能的に評価できる」と中川氏。

図1 FFR:冠動脈狭窄の機能的重症度指標

図1
FFR:冠動脈狭窄の機能的重症度指標

 次に同氏は、FFRを指標としてPCI適応を決定するPCI+至適薬物療法(OMT)群とOMT単独群の間で予後を検討したFAMEⅡ試験について紹介した。同試験は1、2、3枝にDES(薬剤溶出性ステント)によるPCIが予定されている安定冠動脈疾患患者(欧州と北米の28施設、1,220例)の全標的病変をFFRで評価し、少なくとも1狭窄のFFR≦0.80の症例を機能的に有意な狭窄病変としてPCI+OMT群(447例、890病変)とOMT単独群(441例、815病変)に無作為に割り付けて予後を検討した。なおFFR>0.80の322例中166例を登録コホートとしてOMTを実施した。その結果、7か月後、PCI+OMT群は OMT単独群に比べて第一次評価項目である有害心血管イベント(総死亡、非致死的心筋梗塞、緊急再血行再建術のための予定外の入院)を有意に抑制した。総死亡と非致死的心筋梗塞は両群間で有意差はなかったが、緊急再血行再建術のための予定外の入院はPCI+OMT群で有意に抑制された(De Bruyne B et al. N Engl J Med 2012)。

 OMTの内容はアスピリン、メトプロロール(または他のβ1受容体選択性β遮断薬±Ca拮抗薬または長時間作動型硝酸薬)、リシノプリル(または他のACE阻害薬、ACE阻害薬の副作用が容認できない時はARB)、アトルバスタチン(または同力価の他のスタチン±アゼチミブ、LDLコレステロール<70mg/dLまで減少させる)。

 この特別プログラムで先に「至適薬物療法(Optimal Medical Therapy:OMT)とは」で講演した藤田氏から、安定狭心症例を対象としたCOURAGE試験において、PCIはOMT以上の有意なリスク軽減がないことが紹介されたが(PartⅠ 虚血性心疾患“至適薬物療法(Optimal Medical Therapy)とは”)、「FAMEⅡ試験はFFRを利用した再COURAGE試験の挑戦という意味合いがある。FFRで狭窄症例の虚血を機能的に評価し、有意な虚血ありとした症例に対するPCIの有意な有害心血管イベント抑制効果が示された」と中川氏はコメントする。

 なおFAMEⅡ試験は7か月の時点で、PCI+OMT群で有意な有害心血管イベントが得られたことから、新規登録は早期中止となった。しかし、その後も追跡を行い、2年後の有害心血管イベントは、PCI+OMT群で OMT単独群に比べて有意に抑制されたこと、これはPCI+OMT群で緊急再血行再建術による予定外の入院が有意に抑制されたためであることなども報告された(De Bruyne B et al. N Engl J Med 2014)。

 このように冠動脈血行再建術の適切症例の決定に有用であることが立証されたFFRであるが、「最大の問題点は、FFR測定の手技が動脈を穿刺しカテーテルを冠動脈入口部まで進めるなど、PCIの手技のほとんど直前まで行ってしまうことにある。そこまで実施したのに、症例によってはPCIをdeferする(延期する)のかとの声もある」と中川氏は言う。そこで適切症例か否かの判断を非侵襲的に行うために登場したのがFFRCTである。

 FFRCTでは冠動脈のCT血管造影(CTA)画像をもとに、解剖学的情報に加え機能的虚血を視覚化できるという。非侵襲的診断として冠動脈CTは有用性を示し、多くの施設で行われている。一方、解剖学的狭窄だけでなく、FFRを用いた機能的虚血を加味してPCIの適応を考えることが重要視されている。そうした状況を上手に反映させたのがFFRCTということになる。
 「FFRCTは、冠動脈CTAで得られた画像情報をスーパーコンピュータで解析し、FFRを推定するもの」(中川氏)だが 病院外部に解析を依頼することになる。解析そのものは数時間で可能だが、データを受け取るまでには数日を要するのが現状だという。

 PLATFORM試験(コホート研究)では、PCIの適応決定におけるFFRCTの有用性が検討された。同試験の対象は、冠動脈疾患の既往はないが閉塞性冠動脈疾患の中等度可能性がある外来受診新規胸痛患者(584例)。これらの症例では、冠動脈疾患の疑いを評価するために心血管系の非緊急・非侵襲的(NI)検査または侵襲的検査が予定されていた。
 対象は侵襲的冠動脈造影(ICA)予定群(380例)とNI検査予定群(204例)に割り付けられ、各々さらに通常ケア群(ICA予定群ではICA、NI検査予定群では各種負荷検査またはFFRCTなしのCTA)とFFRCTガイド群に割り付けられた。FFRCTガイド群ではまずCTAを実施し、FFRCTの要望がある場合(CTAで30%以上の狭窄、またはICA要参照の症例であることを推奨)には中央でFFRCT(HeartFlowによる)を実施した。結局、ICA予定群では、CTAを受けた193例中117例でFFRCT解析が行われた。
なお、全群でOMTが奨励された。

 その結果をみると、第一次評価項目(ICA予定例のうち90日以内のICAにおける閉塞冠動脈疾患なしの患者の割合)は、FFRCTガイド群で通常ケア(ICA)群より有意に低かった(各々12.4%、73.3%、P<0.0001)。
NI検査予定群では、FFRCTガイド群とNI検査群の間で閉塞冠動脈疾患なしの患者の割合に有意差はなかった(各々12.5%、6.0%、P=0.95)。
 同試験は無作為化試験ではないため、傾向スコアマッチングで患者背景を揃えた解析を行っているが、その解析でも同様の成績が得られた。

 「閉塞性冠動脈疾患なし」の定義は、定量的冠動脈造影法による径2.0mm以上の血管での狭窄<50%、または定量的冠動脈造影法による径2.0mm以上の血管で狭窄の遠位部において侵襲的に測定したFFR<0.80。

 同試験において有害心血管イベントは、ICA予定群におけるFFRCTガイド群で2例(0.1%)に生じたが、予定ICAをキャンセルした61%には有害心血管イベントの発生はなかった(Douglas PS et al. Eur Heart J 2015)。同論文は、CTA/FFRCTは侵襲的冠動脈造影の代替として実施でき安全で、閉塞性冠動脈疾患なしの割合は標準検査群より有意に低かった、と結論している。
「冠動脈造影前にFFRCTを使って虚血評価を行うことで、不要な冠動脈造影を減らすことができる可能性が示されたことの意義は大きい」と中川氏。

 PLATFORM試験は1年後の結果も報告されているが、CTA/FFRCT群の臨床転帰とQOLは侵襲的冠動脈造影群と等しいが、低コストだとしている(Douglas PS et al. Eur Heart J 2016)。

 「FFRCTの登場で、今後、非侵襲的にPCIの適応を考える方向に一層進むのではないか」と中川氏はみている ※1

成熟する金属製薬物溶出性ステント

 次に中川氏はPCIの変遷をステントの面から考察した。

 当初、バルーンのみによる拡張だったPCIは、金属製ステント(Bare Metal Stent:BMS)、そして薬物溶出性ステント(Drug Eluting Stent:DES)へと進化してきた(図2)。「各々、第一の革命、第二の革命、第三の革命と呼ばれたほど、どれもが画期的なものだった」と同氏は振り返る。

 しかしDESのうちでも特に初期のもの(Cypher、Taxus)は、遅発性ステント血栓症という残された課題があった。同氏によると、内皮細胞への薬剤(免疫抑制剤、抗がん剤)の放出スピードをコントロールするため、ステントをポリマーでコーティングするのだが、そのポリマーへの過敏性反応により血管壁に炎症が生じると、炎症細胞が集積してくる、その結果、ステントの周りに破綻しやすいプラークが形成され、これが遅発性ステント血栓症に繋がる。通常、抗血小板薬2剤併用療法で遅発性ステント血栓症の予防は可能だが、手術などを契機とした服薬中止などが、遅発性ステント血栓症を引き起こすという。また、晩期再狭窄という問題もあった。

 DESを構成する3つの要素は、血管平滑筋細胞の増殖を抑制する薬剤、薬剤の溶出をコントロールするポリマー、ステントの土台をなす素材である。このうち薬剤には、シロリムスに代表されるシロリムス系薬剤などがあるが、最近のシロリムス-アナログ薬では塗布する薬剤量が非常に少なくなっている。

図2 PCIの変遷

図2
PCIの変遷

 ポリマーは、過敏反応が起こりにくい生体適合性の高いもの、血管壁と接触する外側にだけ塗布するもの、薬剤放出後に分解される生分解性のものなどへと進化した。ステントの土台をなす素材は、従来の多くは金属(ステンレス)だったが、コバルトクロム合金、そして薄い素材など金属工学の粋を尽くしたものとなっている(図3)。

図3 金属製DESの進化

図3
金属製DESの進化

 現在、第三世代のステントが使用可能になっている。今、我が国で使用可能な一番薄い第三世代ステントは、SYNERGYだという。
 「SYNERGYは74μmと非常に薄く、血管壁に置いて高圧で拡張すると、その約8割が血管壁にめり込む形になるので(embed)、内腔に飛び出ている部分が少ない。このため血流を障害しないので血小板沈着が少なく、これがステント血栓症の軽減に繋がっている」(中川氏)。 
 このようにステントの素材そのものが非常に薄くなることが、ステント血栓症の軽減に貢献している。現在、初期のDESでみられたような過敏性反応の頻度は非常に少なくなっており、遅発性ステント血栓症もほぼ解決されつつあるという。

生体吸収性スキャフォールドへの期待

 ただ金属製ステントは、体内に一生残るのは事実である。この問題を含め、金属製DESに残された弱点を中川氏は次のようにまとめる。

  • 動脈硬化の進展したび漫性病変では性能に限界がある。
  • 金属製ステントは成熟し進化してきているが
    • 減ったとはいえ、血栓症や再狭窄の問題がある
    • 血管内に異物であるcaging(筒状の物体)が確実に一生存在する
    • 破断(フラクチャー)することがある
    • 将来の冠動脈バイパス手術の妨げになる
    • 血管径の生理的な反応性がない
    • 金属の存在が画像診断の妨げになる

 こうした弱点の解決にチャレンジしたのが生体吸収性スキャフォールド(bioresorbable scaffold)である(図4)。

図4 生体吸収性スキャフォールド

図4
生体吸収性スキャフォールド

 中川氏によれば、「スキャフォールド」とは工事現場の足場(仮の構築物)のことであるが、「ステント」と呼ばずに「スキャフォールド」と呼称されている。「要は、溶けてなくなるステントである。建物ができあがった時には足場は不要なので取り外してしまう。血管壁をバルーンで広げた後、創傷治癒反応が終わって血管壁が再構築されてしまえばステントは本来、不要なもの。スキャフォールドというのは、コンセプトをうまく表現している」と中川氏。

 生体吸収性スキャフォールドは(樹脂製=ポリ乳酸化合物)であり、植え込み半年後までは血管壁を良く支えているが、1年後ではかなりの部分が吸収されているという。全部が完全に吸収されるまでに約3年を要する。なお、「生体吸収性スキャフォールドはFFRCT の評価にも全く影響を与えない」(中川氏)。

 臨床で初めて評価された生体吸収性スキャフォールドは、1990年代に当時、滋賀県立成人病センターでPCIの先駆者として活躍していた故・玉井秀男氏と京都医療設計社長の伊垣敬二氏が共同開発したIgaki-Tamaiステントであり、その成績や剖検例でのデータが世界に発信されており、「日本の誇るべき業績」(中川氏)となっている。

 生体吸収性スキャフォールドの日本での臨床使用を目指してABSORB Japan試験が行われた。日本で行われた同試験は、1~2箇所の新規冠動脈病変を有する20歳以上の心筋虚血(安定・不安定狭心症、無症候性虚血)患者400例を、生体吸収性スキャフォールド(Absorb BVS)群(266例、275病変)とコバルトクロム合金エベロリムス溶出性ステント(CoCr-EES)群(134例、137病変)の有用性を比較した無作為割り付け試験である。単盲検(どちらの群に割り付けられたか医療側は周知しているが患者には知らされていない)の形で、日本の38施設が参加した。

 一次評価項目は12カ月後の標的病変不全(Target Lesion Failure: TLF)。TLFは心臓死、標的血管に起因する心筋梗塞、虚血による標的病変再血行再建術(Target Lesion Revascularization: TLR=ステント留置部位での再手技)の複合エントポイント。12カ月後の解析対象はAbsorb BVS群264例、CoCr-EES群133例。その結果、一次評価項目はAbsorb BVS群(4.2%)のCoCr-EES群(3.8%)に対する有意な非劣性が得られた。全再血行再建術のうち全TLRは、各々2.6%、3.8%と両群間で有意差はなかった。12か月後のステント血栓症(スキャフォールド血栓症:ST)は、Academic Research Consortium(ARC)分類の定義でdefinite/probable相当 ※2 は両群とも1.5 %だった(Kimura T et al. Eur Heart J 2015)。

 海外ではABSORBⅡ試験、Ⅲ試験などが行われその成績も報告されている。このうちABSORB Japan試験と同様の一次評価項目を設定しているABSORBⅢ試験(米国、オーストラリアの193施設2,008例)でも、Absorb BVS群(7.8%)のCoCr-EES群(6.1%)に対する有意な非劣性が得られている。同試験では優越性も検証されたが両群間に有意差はなかった(Ellis SG et al. N Engl J Med 2015)。

 これまでに実施された4つの無作為化非劣性試験(ABSORBⅡ、ABSORB Japan、ABSORB China、ABSORBⅢ)の12カ月後の成績のメタ解析(北米、欧州、アジア太平洋地域の301施設、3,389例)では、一次評価項目の1つである標的病変不全(TLF)は、Absorb BVS群(6.6%)、CoCr-EES群(5.2%)と両群間に有意差はなかった。しかし、標的血管に起因する心筋梗塞は、各々5.1%、3.3%とAbsorb BVS群で有意に高かった(p=0.04)。これにはAbsorb BVS群で有意差はないもの周術期心筋梗塞の頻度が高く、デバイスによるスキャフォールド血栓症(ST)も高い傾向(p=0.08)にあったことが部分的に関与している(Stone GW et al. Lancet 2016)。

 中川氏によると、ABSORB Japan試験の2年間追跡の成績が本年8月末にローマで開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、すぐに専門誌に掲載となった(Onuma Y et al. EuroIntervention 2016)。 
 それによると、2年間追跡の対象はAbsorb BVS群(261例)、CoCr-EES群(130例)。TLFはAbsorb BVS群(7.3%)、CoCr-EES群(3.8%)とCoCr-EES群で低かったが有意差はなかった。全TLRはほぼ同じだった(各々5.7%、5.4%)。標的血管に起因する心筋梗塞は、各々5.0%、3.1%と CoCr- EES群で低かったが有意差はなかった。

 同試験に参加した経過が順調な症例の2年後の光干渉断層法(OCT)所見では、樹脂がほぼ吸収された箇所をプロテオグリカンなどを含む非常に水っぽい細胞が埋めている形になっているが、そこが次第に内皮細胞などで補充されていくという。

 2年後のSTはAbsorb BVS群3.1%、CoCr-EES群1.5%とCoCr-EES群で低かったが有意差はなかった。1年以降の超遅発性ST(VLST)はAbsorb BVS群1.6%(4例)に認められたが、CoCr-EES群では認められなかった。

 「VLSTは金属製ステントではほぼ克服されているので、VLSTは生体吸収性スキャフォールドの大きな課題となっている。生体吸収性スキャフォールドでは、吸収される過程で連続性を失って断絶していく。しかしこの時、血管壁にうまく埋設されていない部分が残ると、これが血栓症の一因となるのではないか。植込みの時に、血管壁にいかにしっかり圧着させるかが、VLST回避のポイントになるだろう。血栓症のさらなる予防のために、現在使われている金属製DESのように、スキャフォールドをもっと薄くする必要もある」と中川氏はコメントする。

 生体吸収性スキャフォールドでは、ゴールデン治癒と呼ばれる血管の状態に回復し、溶けて消失した慢性期には植え込んだ時よりもさらに血管径が拡大して修復が完了すること、血管の正常の反応性も回復することなどの報告もあるという。

 生体吸収性スキャフォールドは欧州を中心に20種類以上が開発されている。「生体吸収性スキャフォールドはデバイス進化の延長上にあり、第四の革命になるのかどうかは議論のあるところだ。今あるものが完成品ではなく、これから育てていくものかもしれない」と中川氏 ※3

まとめ

 中川氏は講演をつぎのようにまとめた。

  • 虚血性心疾患の診断法・PCIの適応判断も進化している
  • 金属製ステントは成熟の域に達している
  • 生体吸収性スキャフォールドは慎重に導入し問題点を明らかにして、進化させる努力が必要である

 討論の場で中川氏は、「スキャフォールドが溶けてなくなり冠血管も修復されれば、その後は冠危険因子に対する至適薬物療法によって動脈硬化の進展予防を行うことで、患者さんが冠動脈疾患から解放される時代が来るかもしれない。これにはスキャフォールド使用例の増加が前提となるが、そのためにはスキャフォールドの初期成績をもっと向上させる必要があると思う」と述べた。

  • ※1:日本循環器学会は2016年11月29日付けで 「FFRCTの適正使用指針」を発表した。
  • ※2:Definite:急性冠症候群の症状があり、血管造影で血栓または閉塞が確認されるか、病理的に急性血栓症が確認された場合
    Probable:30日以内の原因不明の死亡(突然死)、または血管造影による確認、あるいは原因病変の同定が行われていない標的血管心筋梗塞
    Cutlip DE et al.Circulation 2007;115:2344-2351
  • ※3:2016年11月7日付けのニュースリリースでアボット バスキュラージャパンは同社の「Absorb GT1 生体吸収性スキャフォールドシステム」が、生体吸収性スキャフォールドとして日本で初めて厚生労働省より製造販売承認を受けたと報道している。日本における適応は「対照血管が2.5mmから3.75mmの範囲にあり、新規の冠動脈病変(病変長24mm以下)を有する症候性虚血性心疾患患者の治療」

Part Ⅰ 虚血性心疾患

Part Ⅱ 心不全

Part Ⅲ 肺高血圧症

Part Ⅳ 不整脈

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