第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
開会にあたり杉本氏は、今回のメディアワークショップのテーマである「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」について両者の関連性の深さを指摘したうえで、「『成果を挙げてほしい』と期待する一方で、『果たして成功するだろうか』と心配している」と述べた。その理由として、問題点が山積していることを挙げ、「専門家の先生方に、特定健診・特定保健指導に対して賛成と反対の立場に立ってご議論いただき、この制度をうまく活かすための問題解決の方法を導き出したい」と本ワークショップの企画趣旨を説明した。最後に、「健診と保健指導の将来は心臓財団の今後にも大きく影響する。メディアの方々の参加も得て、活発なご議論、意見交換を期待したい」と呼びかけ、あいさつを結んだ。
座長を務めた山口氏は、講演に先立ちあいさつし、「特定健診・特定保健指導は、現在はメタボリックシンドロームと新たな健診のあり方だけに関心が集まっているが、健診の最大の目的は循環器疾患の予防にあると考えている」と制度に対する感想を述べた。続いて、保健指導が健診の後に新たに行われるようになったことについて言及し、「循環器疾患の分野では間違いなく大きな前進であり、新たな局面を迎えている」と評価した。最後に、「本日は、特定健診・特定保健指導について賛成と反対の立場に立ってご議論いただくことで、政府が推進する本制度の全体像を明らかにできると考えている。なかでも循環器領域にフォーカスを絞ったお話を聞くことができると思う」と期待感を示し、ワークショップを開始した。
【目次】
INDEX
- 第23回 日常に潜む脳卒中の大きなリスク、『心房細動』対策のフロントライン―心不全の合併率も高い不整脈「心房細動」の最新知見―
- 第22回 高血圧パラドックスの解消に向けて―脳卒中や認知症、心不全パンデミックを防ぐために必要なこととは?―
- 第21回 健康を支える働き方改革「スローマンデー」の勧め―血圧と心拍数が教える健康的な仕事習慣―
- 第20回「家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫(おおはさま)研究」30周年記念~家庭血圧普及のこれまでとこれから。最新知見とともに~
- 第19回「足元のひえにご注意! 気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~
- 第18回「2015年問題と2025年問題のために」~循環器疾患の予防による健康寿命の延伸~
- 第17回「ネット時代の健康管理」~生活習慣病の遠隔管理から被災地支援まで~
- 第16回「突然死や寝たきりを防ぐために…」~最新の動脈硬化性疾患予防ガイドラインから~
- 第15回「眠りとは?睡眠と循環器疾患」?こわいのは睡眠時無呼吸だけではない?
- 第14回日本心臓財団メディアワークショップ「コール&プッシュ!プッシュ!プッシュ!」?一般人による救命救急の今?
- 第13回日本心臓財団メディアワークショップ「心房細動治療はこう変わる!」
- 第12回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」
- 第11回日本心臓財団メディアワークショップ「CKDと循環器疾患」
- 第10回日本心臓財団メディアワークショップ「特定健診・特定保健指導と循環器疾患」
- 第9回日本心臓財団メディアワークショップ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
- 第8回日本心臓財団メディアワークショップ「動脈硬化を診る」
- 第7回日本心臓財団メディアワークショップ「新しい循環器医療機器の臨床導入をめぐる問題点」
- 第6回日本心臓財団メディアワークショップ「不整脈の薬物治療に未来はあるか」
- 第5回日本心臓財団メディアワークショップ「メタボリックシンドロームのリスク」
- 第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」
- 第3回「突然死救命への市民参加:AEDは革命を起こすか」
- 第2回 「心筋梗塞は予知できるか」
- 第1回 「アブラと動脈硬化をEBMから検証する」